自宅でできる猫のフルマッサージ・ツボ押し方法。下痢や便秘の病気への効果も
マッサージされると気持ちいいですが、猫もマッサージが大好きな生き物です。
マッサージは疲労回復、血行促進や下痢、便秘などにも効果的です。
さらに効能をおさえたツボ押しすることで、その効果を高めることができます。
今回は、自宅でできる猫のフルマッサージとツボ押しをご紹介します。
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猫マッサージのメリット
猫のマッサージは必要かといわれると、必ずしも必要なものではありません。
それは人間もそうで、マッサージは必要不可欠ではないですが、してもらうととても気持ちの良いものです。
それは猫にとっても同じで、体に障られることに慣れている猫にとってマッサージは気持ちよく、ツボを押すことでさまざまな効果が期待できます。
・疲労回復
・血行促進
・食欲不振の改善
・下痢・便秘解消
・咳・鼻づまりに効く
・ツボによって腎不全などの病気に効果がある
・飼い主とのコミュニケーション
ツボ押しにはこのような効果が期待できます。
ツボは獣医さんも獣医学で習うほど、医療としてある一定の効果が認められています。
ツボ押しをマスターするだけで、猫の健康管理を維持することができます。
マッサージ・ツボ押しの注意点
マッサージ・ツボ押しにはいくつか注意点があります。
猫が嫌がる場合は、無理にしないでおきましょう。
・猫が遊んでいないとき。リラックスして横になっているときにマッサージする
・猫が嫌がる場所は無理にしない。とくにお腹や手足先は嫌がる場合が多い
・人のように強く指圧しない。軽く押す程度に優しくマッサージする
猫のフルコースマッサージの方法
ここでは猫のツボ押し・フルコースマッサージの方法をご紹介します。
全部やるとなるとなかなか時間がかかるので、すべてしなくてもちろんOKです。
1つ、2つでもいいので、マッサージしてあげると、猫がなんとも気持ちよさそうに目をとろんとしてくれます。
①まずはマッサージの準備運動
まずは頭をなでで、頭→前足→背中→しっぽ→後ろ足の順番で、ゆっくり全身を優しくなでてあげます。
ポイントは、猫の呼吸にあわせて、ゆっくりと手のひらを動かします。
呼吸と手のスピードが重なることで、猫が自然とリラックスすることができます。
猫がリラックスできるとマッサージ効果も高まるので、マッサージ前の準備運動は大切です。
このとき、毛の流れに逆らわず、沿うことを意識しましょう。
②左肩甲骨前縁を押してリンパを刺激
左肩甲骨前縁(ひだりけんこうこつぜんえん)を、手の先で円を描くように優しく押してマッサージします。
画像の場所に触ってみると、平べったい骨があったらそれです。
左肩甲骨前縁はマッサージするにあたって重要な場所です。
ここにはリンパの最終出口があり、全身の老廃物がたまる場所です。
人間はこの部分を骨で支えていますが、猫は筋肉で支えているため、疲労がたまりやすくなっています。
ここをマッサージすることで、老廃物が排出され、前足が軽く疲れにくくなり、免疫力効果が高まります。
③顔周りのマッサージ
左肩甲骨前縁をマッサージしてリンパを解放したら、次は顔周り(頸部)のマッサージです。
口元からてのひらで頬をひっぱるように、顎まで持っていき、そこから折り返して胸元へ返します。
胸元でてのひらを自然に離すことで、リンパの流れをよくする効果が高くなります。
途中、耳の下あたりで円をえがくようにぐるぐると優しく押すのも気持ちいいです。
導線が通っているようなイメージでマッサージしましょう。
④耳のツボ「風池」
次は耳のうしろにある、画像ハート部分の「風池」とよばれるツボ押しです。
風池のツボは、猫の耳の真下、頭蓋骨との境目にあります。
猫の頭の後ろから、人差し指と親指で優しくツボを押し、軽くつまむようにマッサージします。
風池は、その名前のとおり、「風邪」に対して効果があるツボです。
血の巡りがよくなるので、風邪のひきはじめに押すと風邪が治ったりします。
肩こり解消にも効き目があります。
風池を押した後は、手のひらで頭全体を軽くもみこむように、優しくマッサージします。
⑤肩甲骨
肩甲骨はコリやすい部分です。
肩甲骨の上を押すようにもみこみましょう。
肩甲骨の付け根も疲れがたまりやすいので、指で付け根をきゅっと押さえるようにおさえます。
⑥前足
前足の肩から、前足のつま先にむかって、指先でくるくる円をえがくようにマッサージします。
猫の指は、一つ一つを指先でつまみ、軽くおさえてあげます。
猫の指先のあいだには、合谷(ごうこく)というツボがあり、抵抗力・免疫力を高める効果があります。
手は猫が嫌がる箇所なので、嫌がる場合はここはとばしましょう。
⑦背中
マッサージのなかで、背中は範囲が広く、たくさんのツボもある重要な箇所です。
ツボは主に膀胱系が多く、身柱(しんちゅう)、脊中(せきちゅう)、百会(ひゃくえ)、尾根(びね)という順番に並んでいます。
手を背中にあわせて、親指でひとつひとつを押さえるように、ツボを意識しながらマッサージしましょう。
猫の背中にツボの効果
身柱:肺炎や気管支炎など。ストレス、イライラに効果的
脊中:腹満、下痢、血便
百会:自律神経改善、不眠、抜け毛、耳鳴り
尾根:便秘、下痢
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⑧お腹と足の間
次は下半身のマッサージです。
お腹と足の間に手を入れて、境目をもみ込むようにマッサージします。
リンパが通っているので、ここを刺激することで老廃物を押し流すことができます。
その後、手のひらで大きく円を描くように、足と腰にかけて、最後は後ろ足の足先に向ってマッサージします。
⑨肉球のツボ「湧泉」
猫の後ろ足裏にある肉球のツボ、「湧泉(ゆうせん)」。
このツボは肉球にあるので、肉球を親指で優しく押してあげましょう。
3秒押したら離して、3秒休憩。と、緩めたり刺激を起こすことが効果的で、を3回ほど繰り返しましょう。
湧泉は元気が出るツボといわれていて、疲労回復に効果があります。
⑩おへそ周りのツボ「中かん」
今度はお腹のマッサージをしていきましょう。
猫にとってお腹は急所で、触られることに慣れている猫でも嫌がる場合があるので、その場合は省略します。
猫のみぞおちとおへそを、直線で結んだ線上に、「中かん」というツボがあります。
中かんは胃の働きを正常に保つ効果があり、食欲不振や消化不良の改善が期待できます。
この中かんを、人差し指と親指、中指で円を描くように軽く押してマッサージしましょう。
少しずつ、下から上へ円が移動していくイメージです。
⑪頭のマッサージ
頭のてっぺん付近には「百会(ひゃくえ)」「四神総(ししんそう)」という、血行が良くなるツボがあります。
頭の血行にダイレクトに効くので、頭痛や耳鳴りに効果があります。
猫は自分で体調が話せないので、とくに8歳以上の老猫には積極的に押してほしいツボです。
親指と一指し指で頭のてっぺん付近をぐっと押し込むようにマッサージしましょう。
その後は親指と人差し指を縦、横に動かして、頭皮を引っ張るように押し込みましょう。
⑫顔のマッサージ
猫の顔には10個ものツボが存在します。
「天門」「絲竹空」「攅竹」「印堂」「太陽」「睛明」「承泣」「素りょう」「承漿」「地倉」ものたくさんのツボが隠れています。
顔のどこを押してもツボ状態なので、ひとつひとつのツボの場所は覚えなくて大丈夫。
鼻を中心に、鼻筋を親指ですっとなぞってストロークし、顔全体を優しくもみこみましょう。
⑬耳のマッサージ
顔と一緒に耳もマッサージしましょう。
耳には血管が通っていますが、耳にもツボがあり、とくに耳の根元付近にツボがあります。
耳の内側と外側を親指と人差し指でつまみ、耳の根元を意識してぐりぐりと優しく押し込みます。
耳と頭の境目を指でなぞるのも効果的です。
最後は耳の先にむけて、指をすっと引き抜きます。
⑭皮膚をマッサージして終了
猫の顔の側面の皮膚を引き上げて、笑っているようにします。
顔の次は背中の余っている皮を引っ張って、少し上へ引き上げるマッサージをします。
猫は皮下組織が人より多いため、皮膚を引っ張ることでのマッサージ効果が強くあります。
最後はマッサージ前の①を再度行い、猫に「終わりだよ」と告げておしまいです。
猫のフルマッサージ、お疲れさまでした。
マッサージ・ツボ押し本
決定版 犬・猫に効くツボ・マッサージ 指圧と漢方でみるみる元気になる
獣医学博士をとっている、アメリカの獣医さんシェリル・シュワルツさんが書かれた犬と猫のためのマッサージ本です。
ツボの効能が獣医学の観点から書かれているので、とても参考になります。
とくに老猫や腎不全、下痢、便秘、嘔吐など、病気に関するツボ押しマッサージが普通の本と違います。
病状によって押すツボが詳しく書かれているので、症状によってツボを効果的に使い分けることができます。
うちの猫が便秘になっているとき試してみると、ツボを押した1時間後にトイレしてくれたのが驚きました。
西洋医学と東洋医学をあわせて使えば、猫の病気はきっと治るんだ!と考えさせられました。
猫が病気な人、猫を長生きさせたい人におすすめな一冊です。
簡単マッサージ
もっと簡単にマッサージしたいという人におすすめなのが、頭皮マッサージのグッズを使ったマッサージです。
100均などでも買えるので、費用対効果は抜群です。
ツボを覚えていなくても、頭皮マッサージグッズで押していれば、なんとなくツボにあたるのでお手軽です。
人間の頭全体をしっかりマッサージできる高いものより、猫用に使うのであれば小さ目の、安めのが便利がいいです。
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