猫の多頭飼いの飼い方~初顔合わせから仲良くなるまで~
2017/04/09
今回は猫を2匹以上飼う、多頭飼いについてをまとめます。
わたし自身3匹の猫を飼っていますが、2匹は生後3か月ほどの兄弟子猫を譲渡会で引き取りました。
そしてもう1匹は野良猫で、親猫と離れ離れになってしまったのか、生後2か月に満たない小さな体でゴミを食べていたところを保護しました。
こうして現在の猫3匹というお家猫カフェ状態になったのですが、先住猫1匹と野良猫の相性は悪いです(^^;)
しっかり体面の儀式も時間をかけたんですが、だめなものはだめでしたね。
たまに激しい喧嘩をするので、そんなときは部屋を別々にしたりと管理しています。
猫の多頭飼いは魅力的に見えますが、猫の性格やあわせ方を万全の態勢でしないと、猫にも人間にも負担をかける結果となってしまいます。
猫を多頭飼いする場合の注意点などをまとめました。
(結局仲が悪いままの猫を飼っているわたしが言うのもなんですが、このようなケースもあるということでご参考までに(^^;)
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猫にとっての多頭飼いとは?
猫は本来の性質上から、1匹のみの単頭飼いでもストレスなく、何の問題もありません。
なので当サイトではあえて捨て猫でも拾わない限りは、多頭飼いはしない。
する場合でも、かなり慎重に事を進めるべきです。
どんなに正しいやり方で先住猫と新人猫を会わせても、猫同士の相性が悪い限りはどうしようもありません。
もし相性が悪い猫だった場合は、猫に大きなストレスをかけてしまうことになります。
猫の3つのタイプ
・自分だけが好きな猫
・猫以外の動物なら受け入れる猫
・自分以外の猫も受け入れる猫
大きく分けて、猫はこのどれかのタイプに分かれます。
自分以外の猫も受け入れてくれる社交的なタイプの猫は人間がしっかり管理をすることで猫も自然と仲良くなることができます。
しかしそれ以外のタイプの猫の場合は、新しい猫を受け入れられず喧嘩を繰り返すことになる可能性があります。
よくネットには仲良し猫動画などがあげられていますが、わざわざ仲の悪い猫動画をアップする人はいませんから、仲の良い猫同士がいる裏には、それ以上の仲が悪い猫たちもいるということです。
猫は基本的に世界は自分中心に考え、その他のものは添え物程度に考えているとされています。
だから猫自身が餌や寝る場所に困らなかったら、とくに近くに誰かいなくても生きていけるんですね。
人間は快適な環境と毎日のご飯を与えてくれる存在なので、自分に必要な人だと認識しているのです。
多頭飼いに向いている猫
上記の3つのタイプで、最低先住猫が「自分以外の猫も受け入れる」社交的な猫である必要があります。
うちのこは人間に対して噛みついたり、ましてや爪も出したことがないから。
という猫でも、それは自分と同じ猫ではない、他の動物である人間だから共存できるだけという「猫以外の動物なら受け入れる猫」タイプの猫かもしれません。
猫がどのタイプかは、やはり他の猫と会うわせてみて数週間~数か月はみないと判断できません。
生後2週間~7週間目までの過ごし方が鍵
猫は生後2週間~7週間目というとても早い時期に「社会化期」と呼ばれる、社交性を身に着けるための大切な時期を経験します。
このとき十分に親猫、兄弟猫などと過ごしていないと、猫や他の動物と上手く関われないようになってしまいます。
この時期に心無い人間から攻撃をされようものなら、一生涯に渡って人間に不信感を持つこともあります。
そのため、多頭飼いに向いている猫は、生後2週間~7週間の間を親猫や兄弟猫と過ごしている経験がある猫が望ましいです。
兄弟の中での立ち振る舞いや、自分以外の猫への接し方を学んでいるため、新しい猫に対しても寛容な気持ちを持てる可能性があります。
猫にあっても威嚇しない猫
動物病院に連れて行ったり、他の猫が遊びに来ても威嚇しないタイプの猫がいます。
そんな猫は、他の猫のことを気にしていないのではなく、威嚇する度胸がなかったりと、気弱な場合が多いです。
そのような気弱な猫は、相手を威嚇ではなく、その猫と共存しようとします。
仲良くしたり、相手の猫に気に入られようとしたり、結果的に仲良くなることができます。
この場合注意したいのは、新しい猫が気が強いタイプだった場合、しっかりと先住猫の居場所を確保して可愛がってあげましょう。
異なる性別の猫が仲良くなれる
基本的に、猫は違う性別同士の方が仲良くなれる可能性が高くなります。
同性同士だと、意地をはったり、どちらが上かを競い合ったりと、猫同士の争いが起こります。
とくにメス猫同士の相性は悪く、相性がぴったりでないと、仲が悪くなります。
オス猫は同じオス猫とも仲良くできる場合もありますが、基本的に違う性別の猫が好ましいです。
成猫と子猫
成猫が1歳~8歳までの間は、生後間もない子猫との相性は比較的いいです。
成猫も子猫ならと寛容な気持ちになり、脅威にはならないと受け入れる可能性が高くあります。
また、メス猫の場合は母性が目覚めてとたんにかわいがることもあります。
先住猫が8歳以上の場合は、子猫に対しての体力がなく、先住猫を疲れさせてしまうことがあります。
先住猫が老猫の場合は、多頭飼いには相当慎重になる必要があります。
兄弟猫
なかには兄弟猫でも仲が悪い猫もいますが、基本的に兄弟猫は非常に仲がいいです。
上記で記した3タイプの猫どれでも関わらず、兄弟猫だけには優しいという猫が多いです。
多頭飼いには兄弟猫以上に相性のいい組み合わせはないですね。
多頭飼いをしたいと思っている場合は、最初から兄弟猫を貰うようにしたほうがいいですね。
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先住猫と新しい猫の会わせ方
①新しい猫が入ると事前に分かっている場合は、新しい猫の匂いがついた布やおもちゃを先住猫に与えます。
新しい猫がお家に入ってきても、あの猫だ!と匂いを事前に知っていることで少し警戒心を解く効果があります。
②新しい猫を家に入れます。
このときキャリーケースなどに入れていると思いますが、ケースに布をかぶせるなどして、先住猫に姿を見せないようにしましょう。
新しい猫を全く別の部屋に入れて、できればサークルの中などで飼育するのが望ましいです。
③2~3日ほど他の猫がいるという気配を、物音や匂いで先住猫に感じさせます。
④
4日目あたりに、いよいよゲージやサークル越しに、猫同士をご対面させます。
このときほとんどの先住猫は、新しい猫に威嚇をして「フーッ!」というと思います。
これは自然な反応なのでこの時点では問題ではありません。
これを1週間ほど、1日数十分ずつ繰り返します。
⑤先住猫の威嚇行動が少なくなってきたら、新しい猫をゲージの外へ出してみます。
外に出てきた様子を見て、また威嚇が始まります。
お互いに激しい威嚇をするようなら、まだこの段階は早すぎるという目安になるので、新しい猫をゲージに戻します。
④~⑤を繰り返して、猫同士の威嚇が少なくなってきたら、次の段階に移ります。
このときのポイントは、猫が喧嘩を始めないかとひやひやして、焦らないことです。
猫は人間の鼓動の速さが聞こえると言います。普段と違いドキドキしていると、猫はその気配を敏感に察知して、神経が興奮してしまいます。
本などを読んで、リラックスして猫をはさむ形でくつろぐようにしておきましょう。
⑥次はいよいよ猫同士を触れ合わせてみます。
新しい猫が子猫の場合は、好奇心から子猫から近づこうとします。
それを先住猫が嫌がるような場合は、遠ざけるようにします。
まずは先住猫に新しい猫のお尻などの匂いをかがせて、先住猫の好きにさせます。
ここで相性がいいなら、取っ組み合いの軽い喧嘩をしながらも、徐々に仲良くなっていきます。
⑦一緒に触れ合わせる時間を徐々に長くしていき、飼い主さんの都合がつく場合は、数時間一緒に過ごしてみます。
そこで猫が眠り、どちらの猫も眠る、あるいはどちらかが一緒に寄り添いながら眠るということができればいい調子です。
相性がいい猫の場合、突然ころっとした拍子に仲良くなります。
一度仲良くなってしまえば、あとはもう安心です。
⑧家全体を開放して、猫を自由にさせます。
必ず、どちらの猫にも自分だけの居場所、プライベート空間を用意しておきましょう。
猫用のクッションだったり、お気に入りの段ボールなどを用意しておきます。
この⑧までの工程は、早ければ2週間、通常の場合1~2ヶ月。長い場合は1年以上かかる場合もあります。
1年以上もかかる場合は、もはや猫同士の相性が悪かったとほぼ希望は持てないことになります。
先住猫と新しい猫との接し方
まず一番に考えてほしいのが、新しい猫より先住猫を優先させるということです。
新しい猫がくると、自分の居場所が奪われた!と思ってしまうので、全てのことを先住猫優先にします。
ご飯はもちろん先住猫からあげて、好きな場所も先住猫優先、スキンシップもたくさんとりましょう。
そうすることで、新しい猫が来ても飼い主からの愛情は変わらない、安心できると感じさせます。
新しい猫が餌を横取りする場合
少し仲良くなってくると、新しい猫が元気いっぱいな場合などは、先住猫の餌を横取りしたりします。
そんな時はもちろん止めて下さい。
同じ場所で餌をあげるのは仲良くなるために必要ですが、あまりに餌を横取りする場合は、部屋を隔離して離してあげましょう。
どうしても仲良くできないとき
会ったら喧嘩をはじめたりいじわるをしたりと、どうしても相性が悪いというケースはとても多いです。
獣医師さんが言うには、50%の確立だそうです。
どうしても仲良くなれないときは、お互いが個別にリラックスできる環境づくりを整えましょう。
理想的なのは、1階2階と階をわけてしまえば、猫のストレスをぐっと軽減できます。
マンションなど階が分かれていない場合は、猫のテリトリースペースを決めて、ドアを隔てておきましょう。
自分の縄張りに猫が侵入してこなければ、ある程度猫も安心して暮らせます。
子猫と先住猫を初めて会わせた日
先住猫のチョコが、初めて子猫とご対面したときの様子です。
チョコは子猫を見つけた途端走りだし、威嚇していますね。
これは最初は当たり前の行動ですが、できればドア越しで直接触れ合える距離ではなく、キャリーケースやゲージ越しに合わせたほうがいいです。
仲良くなってきた猫
先住猫と子猫が徐々に仲良くなってきた様子です。
まだお互いに距離はありますが、この状態で一緒に眠るようになればもう安心ですね。
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