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猫のかすれ声。普通の甘え声の場合と危険なときの症状の見分け方

   

もともと喉の気管が狭く、生まれた時からかすれ声の猫はいますが、急にかすれ声になるのは何か原因があります。

問題ない場合と、病気などの可能性があるため、かすれ声になったのが何が原因なのかを理解しておく必要があります。

今回は、猫の問題ないかすれ声と、危険なかすれ声についてご紹介します。

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急にかすれ声になる原因

甘えていて眠い

甘えたい+眠いとき、声がくぐもり低い声で、かすれ声を発します。

これはしない猫のほうが多いですが、3割くらいの猫にこの特徴が見られます。

「眠いから声を出すのもちょっとおっくうだけど、構ってほしい」こんな気持ちから喉が狭まり、かすれ声になるんですね。

 

 

猫のノビアさんは、ふだんはかすれ声でないのですが、名前を呼んだとき、扉から顔を出したとき、お風呂のとき声をかけたとき、など限定的にかすれ声になるそうです。

このように、特定の場面でかすれ声を出すのは、甘えたいんだなと解釈し、問題ない甘え声だと思っていて大丈夫です。

 

サイレントニャー

一瞬口を小さく開けて、「・・・にゃ」っと間をあけて発する、「サイレントニャー」。

親猫を思い出し、子猫のときのように甘えたいときに出す声だと言われています。

小さく聞こえにくいですが、くぐもったかすれ声なのが特徴的です。

 

去勢手術の後

去勢手術の後、1週間ほどは元気がなくなり、声もいつもとは全く違う、弱弱しいかすれ声になる猫が多いです。

うるさいくらい鳴いていた猫でも、ほとんど声を発しないこともあります。

これは、全身麻酔をしたことで、猫の小さな体には大きな負担がかかっています。

 

嫌いな病院に行って、しかも預けられて何やら知らない間に体をいじくられて、しかも起きたらなんだか体に違和感、不調を感じる。

人間なら手術をしたんだ、ということが分かりますが、猫はなにも知らないので、疲れて困惑するのは当然ですよね。

いつもより低いかすれ声で、すれも短く鳴く。こんな鳴き声だと心配になりますが、ほとんどの場合1週間、長くても2週間ほどでまた元気になってくれます。

 

参考ページ
「避妊手術後の猫の餌と体重管理の方法。元気がないときの原因」

 

鳴きすぎた

旅行から帰ってきた。ペットホテルに預けていた。など、普段と違う出来事が起きると、パニックを起こす猫がいます。

飼い主がいないときずっと鳴いていた可能性があり、喉がつぶれて、一時的にかすれ声になることがあります。

 

もともと猫は単独行動する動物で、鳴き声によってコミュニケーションをとることもないので、喉の、とくに声を発するという気管は強くありません。

1日中鳴き続けただけでかすれ声になってしまうので、猫にあまり不安をかけさせないようにしたいですね。

 

ストレスが原因

猫はストレスを感じていても、それを表に出さない動物で、強いストレスを感じていても飼い主が気が付くのが遅くなることが多いです。

かすれ声になるのは、ストレスが長期間かかっていて、それを解消できていないサインです。

ストレス度としては中度なので、問題が解決されなければかすれ声以外にも食欲不振や体重減少など、ほかの症状も出始めます。

 

ストレスの主な原因として、

・環境が変わった(引っ越しや大規模な模様替え)

・人が変わった(家族の誰かが引っ越した、家族が増えたなど)

・新しいペットが入ってきた

・音がうるさい(工事など)

・落ち着ける環境が整っていない(人の出入りが激しい、ご飯をゆっくり食べられないなど)

 

強いストレスとなるのは環境や人の変化ですが、それ以外にも猫は人間が気が付かないような、小さな変化にストレスを感じている場合があります。

かすれ声は分かりやすいストレスサインで、猫の発するストレスサインはほとんどが気が付きにくいものです。

例えば、毛づくろいの回数が減る、または通常より増える、何もない場所に手を伸ばすなどの行動です。

 

詳しいストレスの対処法は、以下をご覧ください。

「気づいて!日常に潜む猫のストレス 15種類の原因別【対処法】」

「こんな行動していない?分かりにく猫のストレスサインに気づこう!」

 

声変わり

すべての猫が声変わりするわけではありませんが、成猫になって声が変わった。という猫は多いです。

声変わりする時期は2歳~4歳のころに多く、オス猫のほうがよりなりやすく、低く、かすれ声になりやすい特徴があります。

普通の声変わりなら問題ありませんが、声変わりしたら一度病院で健康診断を受けるのがおすすめです。

喉と血液検査をしてもらえば、問題ない普通の声変わりなのかわかります。

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病気が原因のかすれ声

猫風邪のウイルスによる喉の炎症

急なかすれ声の原因として、もっとも考えられるのは猫風邪です。

季節の変わり目が流行しやすく、とくに冬場は猫風邪がもっとも多い時期です。

 

猫風邪にかかると、鼻水や食欲不振、下痢などの症状が見られますが、かすれ声のみしか症状が出ない場合もあります。

猫風邪のウイルスによって喉が炎症を起こしているのが原因です。

猫をよく観察すると、いつもより動きが少ない、鳴くことが少ないなどの症状がみられるので、よくチェックしましょう。

 

猫伝染性鼻気管炎

猫風邪と症状が似ている猫伝染性鼻気管炎ですが、原因や治療法は異なります。

猫ヘルペスウィルスや猫カリシウイルスなどのウイルスが感染原因で、ワクチン接種している場合は軽症ですむことが多いです。

症状が悪化するのは子猫の場合で、すぐに治療しないと大変なことになります。

再発することも多い病気なので、一度かかったら定期的に診察してもらいましょう。

 

分離不安になっている

猫にはないとされていた分離不安ですが、最近は猫でも分離不安になるというケースが増えてきました。

もともと、分離不安とは、犬が飼い主が不在のとき、「一人になった。飼い主から置いていかれた」と不安を感じ、鳴き続けたり、暴れたりする、心理的に不安を感じている状態です。

猫は単独行動をする動物なので、一匹でお留守番のときでも、分離不安になることはないとされていました。

 

しかし、最近は完全室内飼いで、ほかの猫との接触がなくなり、猫と飼い主だけの濃厚な関係になることで、一人になると不安になる猫が多くなっています。

昼間飼い主がいない間、鳴き続けて声をからし、それでかすれ声になってしまうんですね。

お隣さんに、猫の鳴き声が聞こえていないか聞いてみる。カメラを設置して人がいないときの猫の様子を観察するなどして、猫が不安になっていないかを観察してみましょう。

 

咽頭炎

有害物質を吸い込んだ、何かを飲み込んで喉が傷ついているなど、喉に直接的なダメージがある病気です。

咽頭炎が発症する場合は、なにか別の病気の初期症状である可能性があります。

 

気管虚脱

猫のかすれ声のなかで、やっかいなのが気管虚脱です。

気管虚脱は気管軟骨が弱くなりつぶれ、膜性壁がのびてしまう病気です。

呼吸がしずらくなり、咳が出て、苦しいためガーガーというような呼吸音を発します。

声が出しにくいため、必然的にかすれ声になります。

治らない病気として扱われることもありますが、1990年に小儀先生が確立した治療法で、手術で助かる猫も多くなっています。


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