猫が人を舐めるのは愛情表現と他にも理由があった。痛い場合の対処法まで
2018/04/23
猫がペロペロと舐めてくれるのは、愛情表現のコミュニケーションであり、飼い主にとっては嬉しいことです。
でも、猫の舌ってザラザラしていて、ずっと舐められると痛いですよね。
なぜ猫はこれほどまでに人を舐めて、そこには何の理由があるのでしょうか?
今回は、猫がよくやるしぐさの一つである、「人を舐める」という行動をご紹介します。
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猫の下はザラザラしている
猫に舐められるのは嬉しいですが、猫の舌ってとてもザラザラしていますよね。
これは舌に糸状乳頭(しじょうにゅうとう)という突起がいくつも生えていて、それが当たることで鈍い痛みを感じるザラザラです。
この突起が生えているのには理由があります。
・毛がよく絡むので毛づくろいしやすい
・獲物の肉を食べるとき、骨から肉をこそぎとりやすい(ナイフのような役割をする)
・水を上に引っ張って水を飲むことに適している(ストローのような使い方ができる)
このような理由から、舌の突起物は効果的で、猫には欠かせない便利機能なんですね。
ですがそのため、同じ場所を何度か舐められるとヒリヒリして痛くなってしまいます。
猫が人を舐める理由
愛情表現
猫が人を舐める理由として、もっとも多いのが飼い主に対する愛情表現です。
猫にとって舐めるという行動は相手に敵意がないことを示し、「わたしは仲間ですよ」と表す行動です。
野良猫をみても、喧嘩しないまでも仲間とはいえない猫同士は、一定の距離をとってそれ以上近づくことはありません。
しかし敵ではない仲間だと認定すると、お互い舐めあうようになります。
猫が人を舐める場合も、その人に対して安心しており、敵意がお互いにないことを確認しているんですね。
猫から舐められるということは、飼い主にとっては嬉しいことであり、良い関係が気づけているということです。
怖がりな故こびている
一部の臆病な猫に見られる行動ですが、一部の猫は会って間もない人のことを舐めることがあります。
少しの時間で親密になれたのかというとそうではなく、これは猫が「わたしはあなたに敵意はないので、あなたもわたしに優しくしてね」と、一言でいえばこびてるんですね。
臆病でひとなつこい猫に見られる特徴で、この性格の猫は人を警戒して隠れるより、自ら人の前にたち、交流を深めることで脅威をなくそうとすることがあります。
猫は内気な性格のこが多いため、どんなに人懐っこい猫でも、内心はびくびくしていうかもしれません。
優しく接してあげましょう。
塩分・油分を接種するため
5分以上の長い時間舐めている場合、人を舐めることが目的ではなく、人の塩分や油分を舐めている可能性が高いです。
猫は塩分が好きで、かつおぶしなど猫の好物だと言われるものは塩分が高い食べ物が多いです。
振り払っても執拗に舐めようとしてくる場合は、この可能性があります。
それでは塩分・油分が足りていないかというと、普通のドライフードを与えていれば栄養的には問題ありません。
塩分が好きな猫はウェットフードが好きなので、猫缶をたまに与えるようにすると猫も喜びます。
母猫を思い出し甘えている
子猫のころは母猫に舐めてもらい、体をきれいにグルーミングしてもらいます。
そんな幸せな記憶を思い出して、自分が甘えている人に対して、ぺろぺろする猫がいます。
甘えている場合、ちょっと長めに舐めてきて、カプッと甘噛みが入る場合があります。
とっても甘えたい気持ちになっているときなので、頭を撫でてゆっくり寝かせてあげましょう。
手を舐める場合
猫が舐める場所として、もっとも多いのが手です。
それはなぜかというと、今まで人と接した経験上、手を舐めれば頭を撫でてくれる、かまってくれることがわかっているからです。
頭や体をなでられるのは人の手なので、自分をかわいがってくれる手が、猫は大好きです。
猫が手を舐めてくるときは、「頭をなでてほしい」というサインなんですね。
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毛づくろいのお返し
猫が毛づくろいをしているとき触ると、ちょうど手を舐めてくることがあります。
そうされると猫は、「舐めてほしいんだな」と思い、舐め返そうとするとことがあります。
舐めあうというのは猫のコミュニケーションなので、「猫がグルーミングしているとき触られる=お返ししなければ」となる場合があります。
性格が大人しくまじめな猫ほど、頑張って舐め返そうとする傾向があるので、猫が毛づくろいしているときはあまり邪魔しないほうがいいですね。
クリームを舐めている
長い時間舐め続け、それも何か鋭く、獲物を狙うときのような目をして舐め続けている場合、その部分に何か気になるものが付着している可能性があります。
とくに猫が執着しやすいのがクリームです。
保湿クリームなどは体中につけますし、長い時間体に付着しています。
そのクリームをおいしいと感じ、ぺろぺろ舐めてしまうんですね。
猫は腐ったものなどはある程度判断できますが、クリームの有害性については判断できません。
大量に摂取すると体によくないので、クリームを塗った部分を舐める場合はやめさせましょう。
うちの猫も1匹とてもクリームが好きなこがいて、クリームを塗るとそれがなくなるまで舐め続け、缶の周りまで舐めてしまうこがいます。
やめさせようとしても、わたしが寝ている間に舐めたりと困ったので、今は猫が舐めても大丈夫なクリームを使っています。
わたしが使っているモイスチャライフハンドバターは、人間の赤ちゃんが食べてしまっても大丈夫なように、100%食品由来成分で作られています。
保湿力が強いので、猫が多少舐めたとこで塗りなおさなくていいので重宝しています。
何かに気が付いてほしい
とくに顔や首をぺろぺろする場合、飼い主に何か気が付いてほしい、訴えていることがあるサインです。
例えば、朝飼い主の顔を舐めて起こす猫がいますが、これは顔や首を舐めると効果的に人が起きるということに気が付いてるからです。
「早く起きて遊んでほしい」「エサが欲しい」など、猫は何らかの要求をしていると考えられます。
舐めて甘噛みもする場合
基本的に、猫が人を舐めているときは優しい気持ち、甘えた気持ちと、良い感情を感じています。
そんな安心している姿を見ていると、こちらも頭をなでなでしてしまいますよね。
「舐めてくれてありがとうね」となでなでしていると、甘えん坊な気持が増して、甘噛みにまで発展することがあります。
甘えていたのに急にどうしたの!?と感じるかもしれませんが、猫の甘噛みは噛んでも許してくれる存在だと分かっているからです。
猫は子猫同士で甘噛みをして痛みを覚えますが、「このくらいの噛む力なら大丈夫」と理解しています。
甘えてじゃれているんですね。
舐めて甘噛みまでするときはとてもリラックスしていて、気を許しているというサインです。
飼い主が悲しいときに慰めたりしない
「うちの猫はわたしが泣いていて悲しいとき、そばに来てぺろぺろと舐めて慰めてくれる」と思っている人がいます。
しかし、これはただ単にたまたま、そのとき人がいたから舐めた、というのが正しいです。
猫は人の気持ちを理解するということには至らず、とくに人の感じる「悲しい」という感情は猫には分かりにくいとされています。
この本でも書かれていますが、猫は長年一緒にいた相棒の猫がいなくなってしまったとしても、猫は次の日もけろっとしているものです。
むしろ、「あー部屋が広くなったわ」くらい思っていると、猫医者さんは書かれています。
「うそ!うちの猫はもっと悲しんでる」と思うかもしれませんが、猫は気楽な動物で、人間のような死生観はありません。
このことから、飼い主が悲しんでいたとしても、そんなことお構いないというのが本当のところです。
慰めてくれたと感じるのは、そのとき猫が舐めたことを「これは気持ちをわかってくれているんだ」と、人が勝手に解釈したにすぎません。
舐めるのをやめさせる方法
猫同士は舐めあいますが、毛があるためザラザラした舌で舐められても猫は痛みを感じません。
そのため、人を舐めても人が痛がっていることに猫は気が付くことができません。
でも、あまり我慢していると痒くなったり、皮がはげたり、皮膚が弱い人は皮膚炎になることもあります。
舐め癖がひどいときは、舐めるのをやめてもらう、減らしてもらう方法をとりましょう。
舐めてきたら全身をなでなでしてかわいがる
体のクリームを舐める、塩分を舐める目的ではない限り、甘えたいという気持ちを満たすことで、舐めてくるのを軽減させることができます。
猫は通常、あまり触られるのが好きではないですが、甘えん坊な猫はいくらでも触られたいという猫がいます。
うちの猫も1匹そうですが、とにかくわたしが座っているときは膝の上をキープ、歩いているときは視界に入ろうとする、舐めまくると甘えん坊です。
そんな猫には、とにかく時間が許す限りかわいがり、話しかけながら頭やお腹、全身をゆっくりとなでてあげましょう。
満足すると寝てくれるので、舐め舐め攻撃を防げます。
柑橘系のスプレーをかける
猫は保湿系のクリームが好きですが、柑橘系の匂いは嫌いです。
それを利用して、猫が舐める部分にみかんの汁やレモンスプレーをかけておき、わざと猫に舐めさせます。
すると、「嫌だ!」と分かってくれるので、舐める頻度が減ります。
何度か継続して嫌な記憶を覚えさせると、舐めることが少なくなります。
それでも、あまりに舐めてくるのが少なくなるもの寂しいので、困っているときの最終手段にしたいですね。
猫が舐めるのは汚い
猫にペロペロと舐められると嬉しいものですが、それってなにか汚くない?という場合。
確かに、人間の舌は唾液がたくさんついていて、細菌や食べかすも含まれているため、舐めると臭い臭いがします。
しかし、猫の舌はほとんど唾液が出ないため、舐められてもべたっとしておらず、乾燥していることがわかります。
逆に、猫の舌は皮膚に張り付いた油分や汚れを落とす働きがあるので、舐められるときれいになります。
唾液を塗り付けるのではなく、汚れを吸着させているというほうが正しいのです。
そのため、舐められたからといって、アレルギー症状でも出ない限りはわざわざ洗い流すこともありません。
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