水以外に何が飲める?猫の与えていい飲み物と与えてはいけない飲み物
2017/04/09
猫の飲み物といえば、牛乳を思い浮かべますが、牛乳はすべての猫が飲めるわけではありません。
猫が飲める飲み物は少なく、水以外はほとんどありません。
しかし、猫は水の味の違いがわかる動物で、温度や水の種類というわずかな違いでもおいしさがわかるんです。
今回は、そんな猫の飲み物についてをご紹介します。
スポンサーリンク
猫が飲んでいい飲み物
毎日必要な水
猫も自然な動物の一種ですが、野生の猫は水以外は飲みません。
そのため、どんなに優れた栄養満点の水やミルクがあったとしても、何の変哲もない水が猫にはもっとも健康に良い飲み物です。
人間は緑茶からポリフェノール、カテキンなどの成分を取り込み、ガン予防に役立てることができます。
しかし猫には緑茶に含まれるカフェインが有毒なため、飲むと有害になってしまいます。
人間ほど雑食で、たくさんの食べ物を食べても平気な動物はほかにおらず、人間以外の動物は食べられる物が決まっています。
生息している自然環境の中で摂取できる食べ物、分量で体を効率よく動かそうとして作られているんですね。
そのため「おいしいから。ちょっとくらい大丈夫」と、人間の感覚で水以外の飲み物を与えてしまうと、標準体重4キロほどの猫には重い負担がかかってしまいます。
必要な水分量
猫は体重1㎏にたいして、50CCの水が必要とされています。
平均体重の4㎏の猫なら、1日200CCほどの水分量が必要となります。
猫は砂漠地帯に生息していた動物なので、水を体内にため込み、少量の水で長く活動することができるような体の仕組みになっています。
そのため、水を少ししか飲まず、1日に必要な水分量に達していないケースが多くあります。
水分不足により、腎臓病や尿路結石などの病気を発症しやすくなってしまいます。
とくにオス猫がかかりやすい病気なので、猫が1日水をどのくらい飲んでいるか、しっかり測っておかなくてはなりません。
うちで使っているのが、メモリが付いていて減った水の量がよく分かる脚付きのウォーターボウルです。
脚付きのため首を下げすぎないでいいので飲みやすく、毎日たくさん水を飲んでくれます。
水を飲まない場合
猫はストレスが溜まっていたり、環境が変化した、老化したなどの理由から、水を飲まなくなりがちです。
体重に合わせた水分量を十分にとっていない場合は、下記ページをご覧ください。
母猫の母乳
母猫の母乳には、子猫が十分に成長できる成分が入っています。
水分79%、脂質8.5%、タンパク質 7.5%、炭水化物4%が入っており、100mlあたり121カロリーの熱量があります。
母乳の中には細菌への抵抗力を持つための栄養も含まれているため、子猫の時期は母乳をどれだけ飲めたかで免疫力が違ってきます。
ただし、母猫が栄養をしっかりとっていることが前提の栄養条件です。
栄養が足りていないと、母乳の栄養が悪く、必要な量も出なくなります。
生後5~6週(36~42日齢)の間までは、できるだけ母猫の母乳だけで育てたほうが健康面・精神面ともに強くなります。
他の動物の母乳について
育児放棄された子猫が、犬などほかの動物に助けられて犬の母乳を飲んでいることがあります。
ほかの動物の母乳を飲むことは危険ではありませんが、栄養不足となります。
栄養成分が違い、栄養価も猫の母乳は他の動物と比べて高カロリーです。
そのため、致し方ない事情で他の動物の母乳で子猫を育てなくてはならない場合、足りない栄養とカロリーを他の食品で補わなくてはなりません。
牛乳250ccに卵黄1個を混ぜて、小さじ4杯の砂糖と合わせれば栄養を補うことができます。
しかし、免疫の面では不十分なので、できるだけ猫は猫同士の母乳がベストです。
飲ませてもいい 牛乳
牛乳は猫でも飲める数少ない飲み物ですが、飲ませるには注意が必要な飲み物です。
牛乳には「乳糖」という成分が含まれており、これは体内のラクターゼという酵素が分解することによって問題なく飲むことができます。
体内のラクターゼが少ないと、下痢を起こしたりお腹が痛くなってしまいます。
日本人にはラクターゼの量が少ないと言われており、大人になってから牛乳を飲むとお腹を壊す人が多いのはこのためです。
欧米人はよく、大きなペットボトルで大人になってからも牛乳をがぶ飲みしていますよね。
そして猫もこのラクターゼは少なく、日本人よりも体内の量は少ないとされています。
子猫のとき母乳を飲んでもお腹を壊さないのは、子猫のころは体内のラクターゼ量が多く、離乳するとラクターゼが少なくなってしまうことが原因です。
子猫のころは、体が母乳を飲んでもいいようになっているんですね。
牛乳を飲ませる注意点
牛乳で下痢をするかはどうかはラクターゼの量ということで、猫の個人差になるということです。
猫によっては与えてはいけませんが、下痢もせず平気そうな猫になら牛乳を与えて問題ありません。
ラクターゼは牛乳を飲み続けることによって量が増えるとされており、与え続ければ下痢を起こさなくなるケースもあります。
牛乳を飲ませる場合は、以下の点を守りましょう。
・温めずに冷たいまま(温めると膜がはって、それが喉に張り付く事故があります)
・水のようにたくさんは飲ませず、3~4日に50~100mlまでにしましょう。
(ラクターゼ分解は上限があり、飲みすぎるとどんな猫でも下痢になります)
・体重管理に気を付けよう
(日ごろから牛乳を飲んでいる猫は、肥満気味の猫が多いデータがあります。栄養価の高いキャットフードとあわせて飲んでいると、肥満になってしまいます)
麦茶
麦茶にはカフェインが入っておらず、とくに猫にとって有害となる成分は入っていません。
問題となるのは、尿路結石の原因などになるマグネシウムについてですが、これも麦茶にはさほど量が入っていません。
麦茶に含まれるマグネシウム量は、100ml中0.5mlほどなので、ペットボトル1本飲んだとしても問題にならない量です。
そのため、基本的には猫には水を与えますが、猫が麦茶を好むなら与えても問題ない飲み物といえます。
スポンサーリンク
猫が飲んではいけない飲み物
猫に水以外の飲み物は必要ない
「猫 水以外の飲み物」と検索してこられる方が多いようですが、「猫はお水しか飲めないなんてかわいそう。わたしたち人間みたいにおいしい飲み物を与えたい!」という考え方は危険です。
動物全体で考えてみても、コーヒーやコーラーだお茶やら、こんなにもたくさんの種類の飲み物を飲んでいる動物は人間以外いません。
ほかの動物はみんな、命の源である「水」を飲んで生きています。お湯すら飲まない動物がほとんどです。
猫にとってはおかしな色や味のついた飲み物よりも、清潔なお水こそが何よりも嬉しいんですね。
牛乳は一部の猫は飲めますが、それでも必ず飲ませなくてはいけない飲み物ではなく、「飼い主が飲ませたいなら」というものです。
基本的に猫は水以外は欲さないので、与えないようにしましょう。
猫は水の味の違いがわかる
猫の味覚は人間と違い、甘味がほとんど分からないかわりに、酸味と苦味は人間より敏感に感じ取ることができます。
自然界で生き残っていくために、腐った肉など、食べたらいけない物がわかりやすいようになっているんですね。
そのような舌を持っている猫は、水の味の違いがわかるとされています。
温度の違う水、水の質などを敏感に感じ取り、水に溶け込んだ成分でおいしさを感じることができます。
そのため、お風呂の水を舐めたり、この器でしか水を飲まない、ということがあるんですね。
「飲み物は水以外にないか?」と探すより、水にこだわって、猫がおいしいと感じる水を与えたほうが、猫もたくさんの種類のお水を飲むことができます。
陶器で作られたウォーターボウルで、「水を飲まない猫」のために開発されたのがこちら。
猫が「おいしい」と思う水を追求して作られており、天然希土類元素の鉱物とバイオセラミックを配合して作られた器から漏れ出る成分が水に溶けだし、それがおいしいようです。
このように、水は一つではなく、複数の種類の食器・場所に置いておくことで、その日の好みにあった水を飲むことができます。
カフェイン配合の飲み物
カフェインは強制的に体を興奮させ、動かない体を動かそうとする強い成分です。
人間でも眠気覚ましなどで活用しますが、これはもちろん猫の体には強すぎであり、不必要な成分です。
猫が摂取するとまずいカフェイン量は、1キロあたり150mgです。
80mgあたりから嘔吐や痙攣などを引き起こすので、何でも飲んでしまう猫の場合はテーブルにむやみに置かないようにしましょう。
ぺろっと2~3適舐めたくらいでは大丈夫です。
以下が主な飲み物に含まれる、100ml中のカフェイン量です。
100ml中のカフェイン量
・玉露 120mg
・緑茶 20mg
・ほうじ茶 20mg
・ウーロン茶 20mg
・コーヒー 90mg
・栄養ドリンク 50mg
・コーラ 10mg
・抹茶 30mg
・ココア 30mg
・紅茶 20mg
あんがい玉露が高濃度のカフェインを含んでいるので、猫には気を付けたいところです。
猫にカフェインは有毒でも、猫自身はそれを分からずに飲んでしまうので、猫が飲むからと言ってもあげてはいけません。
スポンサーリンク