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猫の涙目は病気のサイン!原因と治療法と6つの病名

      2018/10/23

人は悲しいときの心を癒すために涙を流しますが、猫は感情で涙を流すことはありません。

猫の涙は目の粘膜を保護し、ウイルスから守るなどの働きをしてくれるものです。

しかし、それが過剰になってしまうと、涙目になり、流涙症などの病気を引き起こしてしまいます。

今回は猫の涙目について、病気の可能性や問題ない涙目についてをご紹介します。

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猫にとって涙は保護の役割

涙は人間にとって、悲しいときその気持ちを楽にさせてくれる、浄化作用がある「ACTH」や「コルチゾール」という、ストレス物質を流します。

そのため、涙を流すと落ち着いて、気分が軽くなるんですね。

 

しかし、猫には涙を流して気持ちをすっきりさせるという効果はありません。

猫にとっての涙というのは、目を表面を保護し、ゴミやウイルスなどから眼球を守る働きをするものです。

目に付着したゴミを取り除いたり、目に必要な栄養素をいきわたらせるという効果もあります。

 

過剰な涙目はよくないサイン

猫には涙というものはなく、ただ眼球を覆っているだけの膜のようなものです。

そのため、涙目になるのは涙の分泌量が多くなっていたり、涙の排出がうまくいっていないなど、なにか原因があって涙目になっています。

少し目やにが出る程度は普通ですが、毎日目やにがこびりついていたり、涙目が酷い場合は病気の可能性、または病気につながる恐れがあります。

 

涙目になりやすい猫

涙目になるということは、涙が目元にたまりやすい、涙の排出がうまくできないという原因があります。

そのため、鼻がつぶれたようになっている短頭種のヒマラヤンやペルシャ猫は、もともと涙目になりやすいという特徴があります。

 

なりやすいから大丈夫かというとそうではなく、なりやすいがために、こまめに涙の汚れをふき取り、ウイルス感染などに用心しなくてはなりません。

流涙症や角膜炎になりやすいので、酷い場合は涙がたまる涙小管部分を手術して、広げる場合もあります。

たいていの場合、清潔な環境を整え、こまめに涙をふき取ることで問題ありません。

 

涙の仕組み

まず目の上の涙腺が刺激されることにより、涙が作られます。

分泌量は刺激成分が多いほど多量に生産され、涙目の原因となります。

涙がやじるしの方向へ進んでいきます。

分泌量は正常でも、涙を排出するための「涙小管」「鼻涙管」が詰まっていたり、炎症を起こしていると、涙がたまってしまいます。

鼻が低いペルシャ猫は、この鼻涙管が狭いため涙目や目やにが増えてしまいます。

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涙目になる原因と治療法

・ガスや煙・ウイルスなどの刺激成分によって目を保護する涙の分泌が増えている

・ウイルス感染・炎症を起こしている

・涙を排出する器官「涙小管」「鼻涙管」に問題が生じている

・涙小管が詰まっている・狭い・炎症を起こしている

 

涙を流す病気の可能性

流涙症の猫
参考 http://ac-ist.com/medical/ophthalmology/

 

・流涙症

・角膜炎

・結膜炎

・アレルギー性結膜炎

・眼瞼内反症

・外傷

 

上記の病気は目の角膜がガスや煙、ウイルスなどによって刺激され、涙の分泌量を増やして涙目の症状を引き起こします。

目をかく、痛い、腫れや赤みがある、目をつぶっているなどの症状がある場合は、さらに症状が悪化する可能性が高いです。

 

症状が涙目だけでも、たまりすぎて茶色になると、それはすでに流涙症です。

抗生物質やエリザベスカラーを装着して治療する方法があるので、症状がみられる場合は早めに動物病院へかかりましょう。

 

関連「猫が涙を流す原因は?病気の症状別対処法」

 

流涙症

涙がつねに流れて、止まらなくなる病気が流涙症です。

鼻がつぶれているペルシャやエキゾチックショート、ヒマラヤンなどの種類の猫がなりやすい病気です。

目から鼻頭にかけて涙が流れるので、毛は濡れてひどくなると色が付き、茶褐色に変色してしまいます。

 

別名「涙やけ」とも呼ばれ、命に関わる病気ではありませんが、慢性化しやすく、また再発もしやすい病気です。

放っておくとまぶたに炎症がおき、それで二次感染がおきて皮膚病を発症することがあります。

流涙症になっている場合は、ほかの目の病気にすでになっている可能性が考えられ、角膜炎や結膜炎が疑われます。

 

流涙症の治療法は、多くの場合点眼薬で治療することになります。

それで治る場合が多いですが、目に深い傷などが入っている場合は逆効果になるので、自己判断は危険です。動物病院で診てもらうのが一番です。

 

角膜炎

角膜炎は放し飼いにしていたり、多頭飼いしているときにおこりやすい病気です。

黒目の部分に、猫の喧嘩などで爪がひっかかり傷つき、傷口が炎症を起こして角膜炎になってしまいます。

猫の爪を切っていないと、伸びすぎた爪で自分で角膜を傷つけて発症してしまうこともあるので、こまめに爪は切っておきましょう。

猫の爪切りは「猫の爪切方法を動画で解説!手順と構造を理解して正しく切ろう」をご覧ください。

 

角膜炎は、傷口が浅い場合はそのままの自然治癒で治ることもありますし、目薬でも治療が可能です。

傷口が深い場合は、コンタクトを装着して、傷を悪化させない処置をほどこします。

なんにせよ治療ができる病気なので、ずっと涙や目やにが出る場合は病院でみてもらいましょう。

 

結膜炎

目を覆っている膜の部分を「結膜」といいます。

この結膜が炎症をおこしているため、結膜炎という病名がつけられています。

 

涙目になるほかの症状として、粘土の高い黄色い目やにがでるという特徴があります。

結膜はとても炎症をおこしやすい部分で、アレルギー物質が付着したり、風邪のウイルス、さまざまな細菌が目に入ることで起こります。

 

結膜炎は再発しやすい病気です。

結膜に付着したウイルスは治療しなければ取れることはないので、結膜に潜み続けます。

治ったと思っても、猫の体調が悪くなると、抵抗力が弱まったときまた結膜のウイルスが活性化して、結膜炎を引き起こします。

野良猫がよく涙目になっていますが、ほとんどは結膜炎だと思われます。

 

アレルギー性結膜炎

上記の結膜炎と病気はおなじなのですが、これは結膜炎の原因が何らかのアレルギーである場合です。

アレルギーとして考えられるものはたくさんあります。

ノミ、ダニ、ハウスダスト、カビ、ビール酵母、鶏肉、アヒル/カモ、米、シーフードミックス、イワシなどなど。

 

とにかくすべての物質にアレルギーであるかもしれないという疑いがあります。

そのため、アレルギー性結膜炎を根本から治療するためには、猫のアレルギー検査が必要になります。

これがちょっとお高いのですが、検査費用は1~2万円ほどになります。

 

うちの猫も、どうしてもアレルギーが特定できずに一度検査をしたことがありますが、思っていた以上に強いアレルギーを持っていることがわかりました。

これはもう猫の体質によるものですが、アレルギー体質のこは本当にたくさんの物質に対してアレルギーを持っています。

検査をすると、食べられるフードの紹介もしてくれて、今後の方針も決定できるので、どうしても特定できない場合は検査してみましょう。

 

眼瞼内反症

眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)とは、まぶたが目の内側に反り返ってしまし、目に刺激を与えるため涙目になってしまう病気です。

先天的な原因と、後天的な原因がありますが、どちらも治療が可能です。

 

症状が軽い場合は目薬で治療できますし、目に刺激を与えているまつげを抜くことで治る場合もあります。

重度になると手術が必要になります。

 

外傷

何らかの理由によって目に外傷を負うと、傷口を保護しようと涙を流します。

外傷がある場合は、目をきゅっとつぶっているので分かりやすいです。

 

たいていが片目だけに外傷を負っている場合が多いので、急に猫が片目をつぶって涙をためている場合は外傷が疑われます。

猫同士の喧嘩が原因としてもっとも多いですが、猫草を食べているとき、その歯が目に入って傷がついたというケースもあります。

 

片目だけ涙目になっている場合

片方の目だけ涙目になることはよくあることで、一方の涙小管がもともと狭かったり、炎症を起こしていたりしているため、片方だけ涙目になります。

猫が気にしてこすってしまって、余計悪化するケースも多いです。

 

片目だけ、両目だけを気にするというより、片目だけでも涙目が重症化して、腫れや痒がっている様子が見られる場合は、重症化する恐れがあります。

片目だけ出ていたのを放っておくと、今度は両目とも涙目になることもよくあります。

 

涙目でも問題ないケース

・毎日涙目になっていても、ふき取れば問題ないくらい

・茶色になっていない

・赤く腫れていない

・目の周りが黒くなっていない

・痒がってかいていない

・くしゃみ・鼻水をともなわない

・目やにが多量に出ない

・食欲がある

・体重は一定

 

涙目になっていても、上記のような症状が併発して見られない場合はとくに問題ありません。

猫は目の構造上、少し涙目になりやすい特徴があります。

ティッシュで拭きとり、それで目がぱっちりするようなら病気の可能性は低いです。

 

お家でできる涙目への対処法と予防方法

涙がたまっている部分を拭く

猫は顔の構造上、涙がすっと流れずに、一度涙のうにたまります。

この涙のうに涙がたまって不衛生になり、着色し、さらに涙を悪化させることになります。

そのため、ここを毎日チェックして涙が出ていたらふき取ってあげることが大切です。

 

ガーゼが一番理想ですが、ティッシュでも大丈夫です。

優しくきゅっきゅっという感じに、優しく拭き取ってあげましょう。

 

注意するポイントは、片目ずつ使うティッシュを替えることです。

もし片目にだけ細菌が入っていた場合、同じティッシュで拭いてしまうと、もう片方の目にも細菌が入ってしまいます。

衛生的にも気を付けてあげましょう。

 

動物病院でもらう点眼薬をさす

涙目の治療は、ほとんどのばあい点眼薬をさすことになります。

ここでしがちなんですが、猫に人間用の目薬をさすことは絶対にダメです。

人間用の目薬は成分量が多く、猫の目には強い刺激となります。最悪、失明する恐れがあります。

必ず動物病院でもらう点眼薬を使うようにしましょう。

 

目薬のさし方

大人しい猫の場合

できれば目薬をさすときは二人で行い、一人は猫が動かないように体を支えてもらいましょう。

一人でささなければいけないときは、猫を壁際に追いやっておいて、後ずさりできないようにします。

 

正面から目薬をさそうとすると猫がこわがってしまうので、視界の後ろ側から目薬をさします。

このとき、もう片方の手で猫のあごをしっかり押さえて、動かないように固定します。

 

ぶれらないようにしっかり目に焦点をあてて、一滴たらします。

すぐに瞬きしますので、5秒ほどそのままで、目薬をしっかり浸透させましょう。

 

暴れる猫の場合は手足を動かないように

片方の手で後ろ足を、片方の手で前足をホールドして、動かせないようにします。

コツは、猫の前足をクロスさせてホールドすると、より固定力が増します。

ホールドするまでに暴れる場合は、長袖に手袋をして爪でひっかかれても安全なようにしておくといいです。

 

一人でささなければならないとき

一人で目薬をささなければならないとき、暴れる猫だとかなりやっかいです。

爪は出してきますし、顎をつかむものなら頭をすごい力でふって抵抗するわで、さすどころではないですよね。

そんなときはこれです。

タオルで体をぐるぐるんとくるんじゃいます!

後ろを体で押さえて、後ずさりされないようにします。

顔だけ出して、そのすきに目薬をさしてしまいましょう。

 

苦い薬を飲むと涙目になる猫

茶トラ猫のアーノルドは病気の治療中。

動物病院から飲み薬をもらっていますが、アーノルドには少し苦すぎるようです。

それでも病気を治すためにと与えると、アーノルドは次第に元気がなくなっていき・・・大粒の涙目に!

 

あまりに苦かったため、目が刺激されて涙が出てしまったのかもしれません。

こんなに涙目になられると、薬を与えるのが可哀そうになってしまいますね。


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