~熊本地震を体験して~災害時、猫をどこへ避難させれば安全か?
2017/04/09
上記記事の続きから。地震を受けた直後の猫の様子から、今回は災害が起きた時、猫をどこへ避難させるか?という点をまとめます。
避難所はペットも連れ行っていいとされていますが、現状は厳しいと言わざるえませんでした。
ペット連れや子供、妊婦など、避難しにくい人がいることを、災害弱者というそうです。
今回初めてその言葉を知りましたが、本当に猫を抱えていると、避難は容易いことではありません。
災害時にも猫の安全と健康を守るため、飼い主はどう行動すればいいのでしょうか?
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猫が安全に避難できる場所
避難所は意外と使えない
地震が起きるまで、万が一自然災害に見舞われたら、猫と一緒に避難所へ行けばいいと単純に考えていました。
しかし、実際遭遇してみると、猫と共に避難所へ身を寄せることが難しいことが分かりました。
猫とともに避難所へ行くことは以下のようなデメリットがあります。
・ペットは禁止されている
・ペット可でも、建物の中には入れずに屋根がある野外で寝なければいけない
ペットを連れてきていいとなっている避難所でも、人が寝る住居スペースと、ペットのスペースは分けられています。
そのため、ペットが心配な飼い主は避難所にいることができない状況が多発しました。
・同じく避難している犬などの鳴き声で猫が怖がる
・アナウンスや物資受け渡しのための、大きな音や声が絶えないため、猫が怖がる
・ゲージに入れておかなければならない
・ゲージの中でトイレしてしまい、猫の清潔が保てない。周りに臭いの迷惑がかかる
・鳴き声が周囲に迷惑をかける
このような現実的な問題点が出てきて、簡単には猫を避難所へ連れて行くという選択肢は取れませんでした。
避難所へ行くことは、うちの怖がりで臆病な性格の猫たちには強いストレスを与えるだろうと考え、避難することは断念しました。
ペットを飼っている人で最も多かったのは車中泊
避難している中で、犬や猫などのペットを飼っている人で最も多いなと感じたのは、ペットを車の中に避難させることでした。
やはり避難所には色々な理由から連れて行くことが難しいと判断した人が多かったようで、車で寝ている人が多かったです。
車ならある程度猫を好きに行動させてあげることもできますし、段ボールなどを置いておけば猫が隠れるスペースも作れます。
トイレも座席の後ろに設置して、トイレ用の消臭スプレーをかければ臭いも気になりません。
しかし、今回は気温が熱かったということもあり、熱中症になる危険が高いのも事実でした。
ガソリンは貴重でずっとクーラーを使うこともできない、かといってつけないと熱中症にかかってしまう・・・
うちの場合は車中泊はそれほど長くなかったのでなんとかなりましたが、これが続くとなると難しい状態ですね。
家の中に猫を残していく
結局わたし自身がとった選択は、建物がすぐに倒壊することはないだろう。と希望をこめて判断して、猫を家の中に居させることでした。
何日続くか分からない狭い車の中での生活を考えると、猫に強いストレスをもたらし、その方が病気になってしまう可能性が高いと判断してのことでした。
結局、1か月後に倒壊の危険はないと判断されたのですが、それでも建物の強度が分からない状態で猫を残していくことはとても辛かったです。
避難している中で、傾向として多かったのは、犬は車や避難所に連れて行っている人が、猫よりは多い印象でした。
これは犬が普段からお散歩で外に出て、社交性を身に着けていることが多いからできることかもしれません。
逆に、完全室内飼いの猫を、大きな揺れという恐怖を受けた後に、さらに外に連れ出すということは、難しいことなのだと感じました。
そのため、危険かもしれないけれど、猫を家に残してきたという、うちと同じ選択をとったかたもいました。
動物病院を探してみよう
ニュースやネットでも話題になりましたが、かかりつけの動物病院がありがたい取り組みをされていました。
なんと飼い主とペットが同じ場所で生活して、避難できるスペースを病院全体を使って提供されるとのこと。
熊本の中では名医と評判の病院で、普段からとてもいい先生に診てもえるので安心していましたが、改めてとても素晴らしい病院だと感激しました。
このような大変なときに、実際に行動されて人のため、動物のために動いてくれるというのは、心に染み入りました。
廊下も全て提供されて、一時は230人とそのペットたちが避難されていたそうです。
動物病院ということから、動物に対しての看護体制はばっちりですし、物資支援はキャットフードやドッグフード、猫砂などがあります。
もし災害に見舞われた際は、動物病院に避難できないかも探してみましょう。
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猫と避難する難しさ
猫と避難することがあるかもしれない。それを考えていなかったわけではありません。
でもまさか本当にこんなことになるとは・・・とうろたえました。
このような事態のために、うちには3匹を避難させるためのキャリーバッグが3つあります。
普段は病院へも1匹ずつ連れて行くため日の目を見ませんでしたが、やはりあってよかったです。
後日ですが、引っ越す際に頭数分のキャリーバッグが大活躍しました。
また、狭いキャリーバッグに入れてもストレスが溜まりにくいように、日頃から慣れさせておく必要もあると痛感しました。
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地震が起きていない今していてほしいこと
地震が起きていない時、猫をどこへ避難させればいいのかを考えることは難しいことです。
行政や動物病院に問い合わせてみても、それを答えられるところは少ないでしょう。
災害が起きてみないと、どのような対応ができるかは分からない。というのが現状です。
じっさい、わたしも動物病院が避難所になっていると知ったのは、地震から1週間後でした。
それまではろくに電気もないため充電もできず、ネットで情報を得ることも難しかったからです。
ネット社会で情報は命
そのため、地震が起きた時にどこへ避難するかは、そのときにならないとベストな場所は分からないと思います。
そこで用意していてほしいのが、動物病院の地図と電話番号、携帯の充電器です。
ツイッターなどでは情報が飛び交っており、これを災害直後に見ることができれば猫をすぐに安全な動物病院へ預けることができました。
ネット社会で、情報を得られる環境にあるのはとても重要だと感じました。
どうしても市の対応は遅れて、人間の食糧を得られたのも地震から4日たってからのことでした。
そのため、猫だけでも安全な場所へ避難できる情報を得ること。
猫と車中泊する場合、スペースの確保とトイレの準備。
頭数分のキャリーケースの用意など、もしものときを考えて、今できることをしておきましょう。
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