健康に長生きしてもらうために猫の予防接種をしよう!頻度や副作用について
2017/04/09
「予防接種のワクチンはどれを受ければいい?効果や副作用、費用について」では、猫の予防接種するワクチンの種類についてご紹介しました。
今回は、ワクチンを接種するのに適した時期と、高齢の猫など、予防接種をしないほうがいい場合などのケースをご紹介します。
体調が悪い猫は、ワクチンを打つことができないので、事前の健康チェックも重要になります。
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ワクチンを打つ時期と頻度
生まれたばかりの子猫は、母親の母乳から病気に対する抗体を取り込み、免疫力をつけています。
そのため、子猫はすぐに母猫からは離さない方が言われています。
母乳を飲めなかった子猫は抗体がつくれないため、病気しやすく貧弱な体質となってしまいます。
そして母乳の効果はおよそ2か月で消滅してしまいます。
そこで、抗体がなくなったそのときこそが、猫が初めてワクチン接種を受けることに適している時期です。
そして初めてワクチンを受けた1か月後、さらにもう一度ワクチン接種をします。
これは、母猫の抗体が残って、1度のワクチンでは免疫が十分に働かない可能性があるためです。
このため、念には念をいれて子猫には3回ワクチン接種をしたほうがいいのではないか?と言われることがありますが、わたしは反対です。
過剰なワクチン接種は副作用をもたらす危険性があるので、獣医師さんとよく相談したうえで、副作用のことなどをきちんと説明してくれない場合は、他の動物病院にかかることも考えましょう。
予防接種で100%病気を防げるわけではない
予防接種すると、その病気には100%かからないのかというと、そうではありません。
感染する可能性が低くなり、また、感染して発症してしまったとしても、重度にはなりにくいということが、予防接種のメリットです。
そのため、当サイトは、できる限り感染リスクを防ぐために、完全室内飼いをおすすめしています。
早めにワクチン接種するケース
何らかの事情で、子猫が母猫の初乳を飲めなかった。量が十分ではなかった場合、ワクチン接種の時期を早めにする場合があります。
例えば野良猫の子猫で、すぐに母猫とはぐれてしまった。
母猫が出産で旅立ってしまった。出産と同時に母猫と子猫を離してしまった。などの場合、ワクチン接種を生後1か月まで早めることがあります。
これは、母乳からの抗体が不十分で、基本的に免疫がなくなるとされる2か月まで持たないとう理由です。
子猫で免疫力がない時期は、ウイルスに感染しやすいため、この数日~数週間の差が、ワクチン接種の時期はかなり重要です。
野良猫を拾って、初乳をしっかり飲んだか不明な場合は、獣医師さんとよく相談したうえで初ワクチン接種時期を決めたほうがいいです。
また、そもそも母猫がワクチン接種をしていなければ、母猫自体に抗体が作られていません。
そのため、子猫にももちろん免疫は受け継がれないので、このケースも早めにワクチンを受ける必要があります。
大人の猫は1年に1回を目安に
子猫の時期のワクチン摂取が終わったら、あとは1年に1回のペースで行いましょう。
これは、ワクチンの効果がおよそ1年でなくなると言われているためです。
アメリカでは2~3年に1回でいいとされていますが、アメリカは猫のワクチン接種率が50%以上と高い状況です。
日本の猫は10~20%ほどワクチン率で、義務ではないため摂取率が低いのが現状です。
そのような汚染環境の違いから、アメリカは感染率が低いため、そのような背景があるのではないかと言われています。
ワクチンを打てない猫
ワクチンは体に負担がかかり、副作用の心配もあるため、それに耐えられる健康な猫でなければ受けることはできません。
ワクチン前に、猫の体調チェックをしておきましょう。
・熱はないか
・食欲はあるか
・便は正常か
・体重に増減は見られないか
などをチェックし、健康状態を確かめておきましょう。
また、妊娠している猫にもワクチンは打てません。
お腹の中にいる赤ちゃん猫に、悪影響が出る可能性が指摘されているためです。
予防接種しないとどうなる?
日本では現在、予防接種は法律で義務付けられていないため、受けさせるかどうかは飼い主次第ということになります。
そのため、日本の猫は全体でワクチン接種率が10~20%と、ペット先進国のイギリスやドイツなどから比べると低い水準となっています。
しかし猫の平均寿命を見てみると、日本ペットフード協会が2013年に調査を行った結果、猫の平均寿命は15歳だということが分かりました。
完全室内飼いの猫は15.99歳。たまにでも外に出る猫は、13.16歳という結果になっています。
この結果から、予防接種を受けた場合は、約3年ほど寿命が延びる可能性があることが伺えます。
高齢の猫、病気持ちの猫の予防接種は考えもの
8歳以上の高齢の猫や、腎不全などの病気を抱えている猫。
このような場合、毎年予防接種を受け続けることは、必ずしも良い結果に繋がるとは限りません。
じつは、予防接種自体には賛否両論があり、予防接種をしたら猫が旅立ってしまった。
倒れてしまった。吐いてしまった。その後病気になってしまったなど、予防接種が引き金となり、猫の体調が悪化したケースがあります。
予防接種が副作用の原因となるケース
なぜこのような副作用が起きるかというと、以下のような原因が考えられます。
・猫の体調が万全ではなかった
・元気でも高齢のため、ワクチンを受け切れる体力がなかった
(3種より5種、5種より7種と、摂取するワクチンが多いほど体への負担は大きくなります)
・打つ場所が悪かった
(悪性の腫瘍に変わるケースも報告されています。
基本的には首に打ちますが、悪性腫瘍になった場合は手術が難しい場所となります。
そのため、望ましいと言われているのは後ろ足です。)
・病院で注射を受けること自体に、猫が強いストレスを感じている
(完全室内飼いの猫は外との接触が普段少なく、臆病になりやすいため、何もされなくても体調を崩す場合があります)
・体質的にあわなかった
・ワクチン接種により、病気を引き起こしてしまった
このような原因が考えられ、若いころから毎年予防接種をしていたとしても、その時の状況や年齢により、予防接種自体が悪い引き金となってしまうことがあります。
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うちの猫にはどうしているかというと
上記のような理由から、とくに高齢の猫には予防接種は必ずしも安全なものとは言えません。
色々書物を読み、獣医師さんに相談したり、実際に起こった予防接種が原因で引き起こった病気の例なども勉強しました。
その結果、賛否両論、飼い主さんによって違う結論が出ると思いますが、うちでは10歳あたりになったら、予防接種は終わりにしようと考えています。
うちの猫は8歳と7歳と、すでに高齢の域に達しています。
まだまだ元気なので、あと2~3年くらいは予防接種を受ける体力はあるかな、と日々の様子を見て考えています。
若いころと比べた食事の量、体重の変化、持病の有無、猫を病院へ連れて行くストレス、今後予防接種が役に立つ場合があるか。
複合的に考え、高齢の猫には予防接種を受けさせるかどうかを、決めたほうががいいと思います。
とくに、高齢の猫は受けるとしても3種混合など、体に負担が少ないタイプを選びましょう。
ちょっと悲しくなるタイトルの本ですが、これは高齢の猫を飼っている飼い主さんにはぜひ読んでいてほしい本です。
猫と人間の寿命の長さは違いますから、どんなに健康な猫ともいずれお別れをしなければいけません。
この本は、そんな悲しい話ではなく、いかに猫を元気に健康に生きさせてあげられるか。
猫が病気になったとき、飼い主はどうすればいいのかなど、普通の猫の本にはあまり書いていない参考になることが書いてあります。
わたしがこの本で最も胸に残った言葉は、「飼い主の下した決断はすべて正しい」という言葉です。
猫は痛みを感じていてもそれを隠しますし、今どうして欲しいのか人間に伝えることもできません。
そんな猫に飼い主がしてあげられることは、猫の体や病気のことを深く勉強し、理解し、そうした上で最良の選択をすることだと思います。
高齢になっても予防接種を受けるというのも、最良の選択のうちの一つだと言えます。
猫にとってよりよい人生が歩めるように、色んな選択肢を考えてあげたいですね。
本棚の永久保存書籍に!猫の飼い主に読んでほしいおすすめ本 |
予防接種は大事です
ちょっと重い話になりましたが、基本的に予防接種は安全性の高い、効果が優れたものです。
予防接種がなかったら、それこそ感染症にかかり、たくさんの猫が病気になってしまいます。
元気で年齢が若い猫ならほとんど心配はいらないため、予防接種は1年に1回できる限り受けるようにしましょう。
老猫になったら、その猫の体調と飼い主さんの判断、また獣医師さんとの相談でどうするか決めるといいでしょう。
猫を予防接種に連れていったらまさかの診察台ジャンプ!
大好きなネコ吉とドラ吉(飼い主)さんの動画。
予防接種にネコ吉を連れてきたら、あまりに怖かったのか、診察台の上からドラ吉さんをめがけてジャンプ!
薄手の服にこんな風に引っ付かれたら、爪でとっても痛そう(^_^;)
怖くて徐々に体が震えだす様子など、猫の気持ちが伝わってきます。
とても可哀そうで、予防接種なんてしないでこのまま帰っちゃおう!と思っちゃいますが、やっぱりとても大事なことなんだなと再確認させられる動画です。
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