甘えん坊になる?去勢後に見られる猫の性格・体調の変化
2017/04/09
去勢後の猫の性格や行動は、個体差にもよりますが変化が見られることがあります。
わたしも今までたくさんの猫の去勢後に立ち会ってきましたが、経験としては変化がない猫2割、何らかの変化があった猫8割といったところです。
大抵は、「あれ、去勢前と少し違うな?」と感じる変化があります。
それは些細なことであったり、ときにトラブルともなる大きな変化だったりもあります。
猫の去勢後のケアを中心に、猫との付き合い方を見ていきましょう。
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去勢後に起こる猫の変化
活発さがなくなる
去勢前までは家中を走り回っていたような元気な猫が、去勢後急に元気がなくなるケースは多いです。
去勢後1週間ほどは、手術の傷から安静にしていますが、2週間たっても1か月たっても活発さを取り戻さない場合があります。
これは、去勢したことにより刺激物質が出なくなり、また焦りや焦燥感を猫が感じなくなるためだとされます。
猫が活発に動き回るのは性格などもありますが、それが子孫を残すために相手を探すための行動の場合もあります。
それがなくなった去勢後は、体も気持ちも穏やかになり、無駄に動き回ることがなくなる猫が多いようです。
隅でじっとしている
去勢後1週間~2週間ほどは、手術での肉体的ダメージを受けているので、部屋の隅でじっとしていることはおかしくありません。
飼い主の膝にのぼってきて、そこで眠るという行動もよく見られます。
そしてこれは肉体的なダメージではなく、精神的なダメージも負っているがあります。
通常去勢手術は日帰り~一泊ですが、精神的なダメージは一泊と、時間が長いほうが猫にはきついようです。
手術をしたという肉体的な大きな変化は猫も感じているところで、それに加えて安心できるお家ではない場所に、数十時間もいるという不安のストレスは大きいです。
猫としては体がおかしなとき、いつ帰れるかとも分からないこの状態はとても辛いものです。
その精神的ストレスから、たまに抑うつ状態になる猫がいます。
これは一泊以上去勢後病院に預けている場合などに比較的多く見られ、食欲の減退やグルーミングの減少、遊ぶことに無関心になるなどの行動が見られます。
術後2週間以上たっても、このような猫の無気力な状態が続けば、一度病院で診てもらいましょう。
しかし個人的には、術後一泊預かってくれる病院のほうが安心だと思います。
やはり術後は何かあると命に係わるので、一泊くらいは病院で診てもらえたほうがいいと思っています。
抑うつ状態になる猫は比較的稀なので、猫の性格をよくみて判断しましょう。
甘えん坊になる
甘えん坊になるということも、多くの猫で見られる変化の一つです。
去勢前は子孫を残さなければいけないという本能があるので、猫の意識は同じ個体の猫に向かいます。
しかし去勢後は、猫への意識が薄れ、近くにいる人間の方を意識し始めます。
人間は食べ物をくれて、頭を撫でてくれて話しかけてくれて、猫にとってみたら実は同じ猫より居心地がいい相手かもしれません。
猫の意識が人間に向かうことで、甘えん坊さが増していくようです。
去勢前の猫は猫らしい行動を取りますが、去勢後の猫は人間との境界線があいまいに見えるため、このころ猫は自分を人間だと思い始める。
という面白い説もあります。
猫が甘えん坊になったら、時間の許す限り甘えさせてあげたいですね。
オス猫はとくに変化が大きい
メス猫より、オス猫の方が去勢後の変化は大きくなることが多いです。
例えばオス猫の困った行動の代表としてスプレー行動がありますが、これはほとんど去勢後はなくなります。
また、オス猫の方が性格が乱暴で行動も荒っぽかったのが、大人しくなるという性格の変化が見られます。
全く変化なしというオス猫ももちろんいますが、大抵はちょっと大人しくなって元気がなくなった。と感じる場合が多いようです。
これはやはりオス猫の方が子孫を残すということに敏感なので、手術を受けた後の肉体的な変化は大きいことが原因です。
性格が変わってしまって、元気がなくなってしまって可哀そうなことをした。と思うかもしれませんが、実はオス猫にとっては長い目でみるとストレス軽減になるとされています。
プレッシャーがなくなったぶん、あとは自由に好きに生きていいのです。
去勢しないとオス同士で喧嘩したり、イライラを感じることが多く、オス猫はストレスを感じています。
そのため去勢後のオス猫はとても甘えん坊になる場合が多く、また、体もごつごつしていたのが柔らかくなるなどの変化があります。
オス猫がのび~っと甘えてくるときは、ストレスを感じていないというサインなので、存分に甘やかしてください。
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太りやすくなる
去勢後はホルモンバランスの変化で、太りやすくなることが科学的に実証されています。
うちの猫も、6対4くらいの割合で太り気味になる猫が多いと感じています。
とくに三毛猫のぶーちゃんは知人に「トド猫」と呼ばれるほど、体系がトドそっくりになっています(^^;)
去勢後、獣医師さんからはロイヤルカナンのフードを与えるようにと言われました。
メス猫にはフィーメールケア、オス猫にはメールケアのロイヤルカナンがいいそうです。
ロイヤルカナンは高品質で術後や病気のときはとてもいいフードだとされています。
酸化防止剤のBHAに不安を感じている猫飼いさんも多いですが、獣医師さんによると問題のないレベルだと言われました。
問題なのは市販のフードが参加したものなどが、ガン化する可能性が高いそうです。
うちでは無添加高品質のフードが好きなしーちゃんは喜んで食べてくれましたが、おいしい方が好きなぶーちゃんとハルくんはロイヤルカナンだけでは食べてくれませんでした。
そのため今まであげていたフードとロイヤルカナンを食べる割合を見て配合してあげていました。
とくにメス猫はホルモンバランスが長期に渡って崩れるため、生涯を通して食欲旺盛になることがあります。
ちょっと太りやすい体質になるので、日頃から餌の量には注意してあげましょう。
また、生後1年未満の猫の場合は、安易にロイヤルカナンのような低カロリーフードに切り替えるのは問題があるように思います。
生後1年に未満の猫はまだ完ぺきに体が出来上がっていないので、予防という段階でダイエットに取り組むことはないと思います。
普通のフードをあげて、1年たってから太ってきたら、低カロリーフードに切り替えたり餌の量を調節したりするなどの対処がいいと思います。
尿路結石になりやすくなる
オス猫に多く見られる症状ですが、去勢したことにより尿道が狭く細くなり、尿路結石にかかりやすくなります。
そのため、オス猫の食事は注意しておいてあげる必要があります。
尿路結石の多くは普段与えているフードが原因で発症するので、ロイヤルカナンを取り入れるなどして予防に取り組みましょう。
ロイヤルカナンメールケアには下部尿路維持などの効果が期待できます。
また、お水をたくさん飲むことも尿路結石予防に効果的です。
猫は流れる水やぬるま湯が好きなので、蛇口から水を飲ませてあげたり、冷ましたお湯を定期的に飲ませるなどして水分を取らせましょう。
去勢手術後の猫の様子
元野良猫のもみじ、通称もみちゃん。
生後6か月目になったことを機に、去勢手術した後の様子の動画です。
お腹の傷を舐めないように、エリザベスカラーをつけています。
帰ってきて1日目は体力がないのか、お家の中を一回り探索した後飼い主さんのお膝で眠ってしまいました。
しかし翌日からは見事に復活して、3日目にはエリザベスカラーが取れたそうです。
手術後お家に帰ってきた猫
去勢手術後お家に帰ってきた猫ちゃん
最初はぷるぷる震えていたそうで、お家に帰った後もそわそわ辺りを見回しています。
猫は数日でもお家から離してしまうと、そこがどこなのか、変化はないのかを不安がります。
少し時間がたった後は安心したのか、毛布でくつろいでいる様子が分かりますね。
病院から帰ってきてすぐは、体調的にも、精神的にも不安定な時期です。
翌日までか2日間あたりはお休みをって、必ず誰かがお家にいられる状態を作っておきましょう。
術後6日目の様子
去勢手術後6日めのウーちゃん。
5日目までは元気がなく、おもちゃにも無反応だったそうです。
それが6日目にとたんに元気を取り戻して爪を研ぎ、おもちゃで遊び始めました。
術後は大人しくなる猫が多いですが、元気を取り戻してくれるとほっと一安心ですね。
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