おいしいご飯を食べてほしい!猫の手作りご飯に必要な栄養バランス
2017/04/09
いつもキャットフードばかりでは、猫もおいしくないんじゃないかな。
健康のためにも、たまには猫においしい手作りご飯を作ってあげたい。
普段ぱくぱくとご飯を食べる猫を見ていると、何かおいしいご飯を作ってあげたいな~と思いますよね。
うちでも週に2回ほど手作りご飯の日を設け、いろいろなご飯を食べさせています。
そのとき注意したいのは、栄養バランスが偏らないこと。
あまり適当に栄養バランスを考えずに手作りご飯を作ってしまうと、逆に栄養の取り過ぎで肥満や病気の原因になってしまうこともあります。
ここでは適切な手作りご飯の栄養バランスについてまとめます。
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キャットフードと手作りご飯のバランス
手作りご飯を作る時には、普段食べているキャットフードとのバランスが重要になってきます。
質の悪いキャットフードならば、それを補うような手作りご飯を作りたいですね。
質の良いキャットフードなら、それ以上無駄なカロリーを摂取させないために、おいしさを重視した低カロリーなご飯が望ましいです。
まず、質の悪いキャットフードですが、残念なことに国産の物はほとんどが低品質だと言わざる得ません。
日本は人間の食事にはうるさいですが、動物の餌にかんしては世界的に見てもレベルが劣っています。
動物の餌に関して国として取り締まる機関が明確でないので、ほぼ無秩序な状態になっているのが現状です。
成分や栄養バランスが、世界の安全基準に達していないところがあるので、手作りご飯との兼ね合いも難しくなってきてしまいます。
そのため、できるだけ普段からAAFCO(米国飼料検査官協会)の、アメリカの基準をクリアしている良質なフードをあげるようにしましょう。
「AAFCOの基準を満たす・・・」など書いてあるフードは、AAFCOとは何の関係もなく結局は独自基準ということなので、言い回しがずるっぽい業者にも注意しましょう。
手作りご飯の適切な頻度
猫のために毎日手作りご飯を作ってあげたい!という飼い主さんもいますが、それはかなり危険なことです。
キャットフードには研究された猫の体を考えた栄養がベストに配合されており、キャットフードのみを与えても栄養バランスが保たれる作りになっています。
猫に必要な栄養は、人間が必要とする栄養バランスとは根本的に違うため、相当な知識と研究が必要になってきます。
そのため、手作りご飯をあげるのは通常なら1週間に1回ほど、猫のグルメの楽しみのためがいいと思います。
猫に必要な栄養バランスを勉強したうえで作るなら、1週間に2回ほど頻度を増やしても、キャットフードとの栄養バランスとの折り合いが取れるようになります。
1週間に3回以上は、栄養バランスを崩す原因となってしまうので、プロ並みの知識と経験がない限りはやめておきましょう。
ねずみは猫の大好物!
朝起きてみると枕元にねずみの死骸が・・・なんてことが、外猫を飼っていたりするとあります。
人間からすると本当に困ったことですが、これは猫からしたらとっても大事なことなんです。
ねずみは猫にとって、地球上の生き物の中で最も理想的な食べ物であり、ねずみ1匹食べるだけで全ての栄養が取れるいう最高の食べ物なんです。
ねずみはたんぱく質が19.8%、脂質が8.8%の割合で、骨にはカルシウム、内臓には炭水化物やビタミン、ミネラルが豊富に蓄えられています。
とりあえず1日1匹ねずみを食べていれば、ねずみはキャットフードを食べるよりも健康的に過ごせるわけですね。
そんな生命源ともいえるねずみを枕元に置いてくれるなんて、「あなたも食べなさいよ」とわざわざ猫がプレゼントしてくれているんですね。
(ほんと迷惑な話ですが)
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手作りご飯で考えたい猫に必要な栄養とその役割
猫は肉食動物であり、人間の雑食動物として必要な栄養とは、根本的に違います。
人間のようになんでもバランスよく食べさせなきゃね~ということは間違いで、お肉で得られる栄養にバランスが傾くのが正解です。
猫に必要な栄養と、その栄養が猫にどんな影響を与えるのかをしっかり勉強したうえで、おいしい手作りご飯を作りましょう。
タンパク質
人間にとってのエネルギー源は炭水化物ですが、これが猫にはタンパク質に当たります。
肉食動物である猫はとても腸が長く、その長さは体調の4倍もあるため、非常にタンパク質の吸収力に強い腸を持っています。
タンパク質の中でも、タウリンとアミノ酸の摂取は重要です。
タンパク質は臓器や筋肉といった、猫の体を作り上げる働きをします。
ふわふわの毛もタンパク質に左右されており、タンパク質が十分に取れている猫の毛はツヤツヤしています。
野良猫の毛がごわごわ汚く見えるのは、汚れのせいだけではなく、タンパク質が足りていないという原因もあるんですね。
しかし食べ過ぎてしまうと、肥満の原因となってしまうのもタンパク質です。
タンパク質の排泄には腎臓や肝臓にも負担をかけるので、適切な量を与えるようにしましょう。
脂肪
脂肪はエネルギー源でもあり、ご飯のおいしさの元ともなっています。
ドライフードよりウェットフードの方が脂肪率は高いので、それでウェットフードの方が好きな猫も多いですね。
脂肪を取ることにより免疫機能も向上し、風邪をひきにくい体作りをします。
猫は体内でリノール酸やアラキドン酸を作れないので、食事から取る必要があります。
必要脂肪分は、人間は25%ほどなのに対して、猫は9~15%ほどなので、なるべく低カロリーを意識しましょう。
ビタミン
ビタミンはたくさんの種類がありますが、どれもが役割を担っており、多すぎても少なすぎてもダメな栄養です。
人間でもビタミン摂取のバランスが上手くできている人は、栄養士さんくらいしかいないのではないでしょうか。
それほど手作りご飯では調節することが難しい栄養素だと言えます。
ビタミンAは網膜に作用し、目の機能を正常に保つ働きがあります。
ビタミンKは腸内細菌により、猫の体内で作られるビタミンで、怪我をしたとき血液を凝固させる働きがあります。
もうひとつビタミンCも猫の体内で作られ、ストレスを撃退したり、アトピーを防ぐといった様々な効果があります。
このビタミンKとCは、猫の体内で作られるため、わざわざご飯として与えるべきではない、いや、与えたほうがいいという議論が昨今起きています。
以前は与えなくていい派が多数だったのですが、今は老猫や不健康な猫は十分にビタミンを作れないので、ある程度は与えたほうがいいという見解が強いようです。
わたしとしては、キャットフードに含まれるので、手作りご飯のときはわざわざ意識してあげなくてもいいと思っています。
摂取しすぎるのは避けたいので、猫にビタミンK、Cが不足している症状が出た時に対処すれば十分かと思います。
ビタミンA、B1、B2、B6、Dに関してですが、これは猫は体内で作る事ができないため、ご飯として与える必要があります。
ミネラル
ミネラルは全体的に見れば必要な量は微量ですが、骨や歯、血液など体の基礎となる部分に働きかける栄養です。
ミネラルの中に含まれるカルシウムとリンは、そのバランスが大切です。
1対0.8になるように与えなければなりません。
また、マグネシウムも体に必要な栄養素ですが、ごく少量なためキャットフードを食べていれば大丈夫です。
ミネラルの取りすぎは尿結石などの病気を引き起こすので、手作りご飯を作る時にはその量に十分注意したい栄養です。
食物繊維
実は食物繊維は、肉食である猫の腸では吸収できず、食べてもそのまま便として流れてしまいます。
それじゃあ必要ないの?というとそうではなく、猫の健康を保つためには必要な成分です。
猫草も、おいしそうに食べる割にはげーげー吐いて、それって猫には合わないんじゃないの?と思いますが、猫も体調をよくしてくれる食べ物だと分かっているから、自ら好んで食べるわけですね。
食物繊維には腸内環境を整え、便秘の予防、解消に効果があります。
また、エネルギー源である脂肪の吸収率を抑え、肥満防止としての効果も期待できます。
猫用のダイエットフードとして売られている物は、食物繊維がたっぷり入ったフードが多いのはこのためです。
炭水化物
人間にとってはとても大事な炭水化物ですが、猫にはそれほど重要な栄養ではありません。
というのも、猫が野生のまま肉食動物として暮らしていれば、炭水化物を取る機会はほとんどないからです。
猫がねずみを捕まえて、そのねずみが食べていた炭水化物の栄養を微量食べて摂取するというのが、猫の基本です。
そのため上げすぎるのはよくなく、手作りご飯ではあまり登場しない栄養と言えます。
しかし全く必要でないかというとそれも間違いなので、キャットフードをあげておげば大丈夫です。
水分
水はどんな生き物にとっても、3日水を飲まなければ生きていけないという絶対的な物です。
猫は元々砂漠地帯の出身なので、放っておくと水を必要な量飲まないことがあります。
普段の食事でも十分な量を補えないので、手作りご飯ではできるだけ水分量を含ませたご飯が望ましいです
参考ページ
「猫が水を飲まないとき試したい10つの水分量を増やす方法」 |
【基本】猫の水のやり方~水をよく飲む場合に考えられる病気まで」 |
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