猫が痙攣するのは病気?その原因と併発する嘔吐や泡を吐くなどの症状について
猫の痙攣の症状
痙攣とは、身体が勝手に震えたり、強張って動かなくなったりすることです。
必ず全身に起こるわけではなく、部分的に起こる場合もあります。
人間だと、目が疲れているときなどに瞼がピクピクすることがありますが、あれも軽い痙攣です。
猫の痙攣にも一部がピクピクするだけの軽いものから、全身を硬直させて泡を吹くような重度のものまであります。
猫は人間や犬などと違い、普段あまり震えることはありません。
猫がピクピク震えるときには痙攣を起こしている可能性があります。
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心配のいらない痙攣
寝ているときにピクピクと動く痙攣は、病気などの心配はいりません。
それは、夢を見ているだけです。
猫も人間と同じように眠りの浅いレム睡眠と、深いノンレム睡眠があります。
レム睡眠の間は起きていた間のことを夢に見て、頭の中で走ったり遊んだりしているんです。
私も、隣ですやすやと寝ていた猫が突然「うにゃあ~!」と声を上げてピクピク動き出したので、ビックリしたことがあります。
「もしかして痙攣!?」と慌ててしまいましたが、よく見てみると足がジャンプするように動いていました。
夢の中で何か獲物を見つけて、追い掛け回していたのかもしれませんね。
様子を見ても大丈夫な痙攣
突然パタリと倒れ、硬直して震えだす痙攣は初めて見ると慌ててしまいます。
基本的には猫が痙攣を起こしたら、収まった後すぐに病院に連れて行ってください。
ですが、夜間や病院の休日などですぐには行けないこともあるかと思います。
そんなときでも慌てる必要のない、緊急性の低い痙攣もあります。
・数分で収まる
・一度収まったら繰り返さない
・収まった後はいつもと変わらない様子
こんな痙攣だったら、夜間などには必ずしも早急に診察を受ける必要はありません。
ただし、何らかの病気がある可能性はあるので、なるべく早めに必ず病院に連れていってあげてください。
すぐに病院へ!危険な痙攣
次のような症状がある場合は、処置が遅れると脳に後遺症が残る危険な痙攣かもしれません。
・10分以上痙攣が続く
・2回以上発作を繰り返す
・発作が収まった後もぐったりとして、声をかけても反応しない
このような症状が見られたら、夜中でも夜間診療のある動物病院へ速やかに連れて行ってあげてください。
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猫が痙攣を起こす原因
猫が痙攣を起こす原因は次のようなことが考えられます。
・てんかん
・腎不全
・脳や頭に近い部分の腫瘍
・中毒症
・熱中症
・糖尿病
てんかんや腎不全など、病気が原因の場合もありますが、何かを誤って食べたことによる中毒症状で痙攣が起きることもあります。
また、事故の後遺症だったり、腫瘍があることで脳が圧迫されたためなど、猫が痙攣を起こす原因は様々です。
猫のてんかん
痙攣というと、てんかんの発作を思い浮かべる人も多いと思います。
てんかんとは、普段の生活には問題はないけれど、突然脳の神経回路がショートして痙攣の発作を起こす病気です。
突然痙攣しだして、一度なると何度も繰り返すことが特徴です。
ですが、てんかんを持っている猫でも毎日発作を起こす猫もいれば、一年に一回発作がある程度の猫もいます。
ただ、猫がてんかんになる確率は1%以下といわれています。
なので、痙攣を起こしたときには他の病気などが原因ということの方が多いです。
猫が痙攣を起こしたら
猫が痙攣を起こしたら、慌てて抱き上げたりしないようにしましょう。
下手に触ると、余計に痙攣を誘発してしまう恐れがあります。
苦しそうに見えますが痙攣を起こしている猫には意識がありませんので、冷静に次のように行動しましょう。
①落下の危険がある高い場所にいるときは、タオルなどに包んで安全な場所へ移動させる
②猫がぶつからないように周りの物をどかしたり、タオルや毛布などでカバーする。
③発作の時間を測る。10分以上続くようなら即病院へ。
④発作が収まったら、再び発作を繰り返さないか様子を見る。
⑤完全に回復するまでどれくらいかかるか時間をみておく。
余裕があったら発作の様子を動画で取っておくと、診察の際に先生がわかりやすくなります。
痙攣中に泡やよだれを出したときには
発作中に泡やよだれが出てくる場合には、てんかんの発作を起こしている可能性が高いです。
慌てて拭こうと、口に手を当てると噛まれてしまうことがあり危険です。
痙攣を起こしているときには、筋肉が無意識に収縮してかなり力が入っているので、噛まれると大怪我になってしまうこともあります。
発作中には落ち着いて様子を観察し、収まってから拭いてあげるようにしましょう。
痙攣中に嘔吐する場合
痙攣中に胃の中の物を吐くときは、なにか食べ物で中毒症状を起こしている可能性があります。
何か食べてはいけないものを食べていないか、嘔吐物や周辺の物を見てチェックしましょう。
物によっては吐かせたり水を飲ませてはいけないものもあるので、自分で判断せずにすぐに病院に連れて行った方が良いです。
猫が痙攣を起こす食べ物
・イカ、タコ、エビ、カイなど生の魚介類
昔から猫にイカを食べさせると腰を抜かすとよく言われます。
イカやタコなど多くの魚介類にはチアミナーゼという酵素が含まれていて、ビタミンBaを分解してしまいます。
すると急性ビタミンB1欠乏症となり、食欲の低下や嘔吐、瞳孔が開くといった症状が出ます。
さらに症状が進むと痙攣を起こし、最悪の場合は死亡してしまうことも。
マグロやカツオなど青魚は、たまに少量食べる程度なら生でも問題ありません。
それ以外の魚介類をあげる際には必ず火を通すようにしましょう。
・チョコレート、ココア
チョコレートやココアの原料はカカオです。
カカオにはテオブロミンという心臓や中枢神経を刺激する物質が含まれています。
例え少量でも嘔吐や痙攣を起こしたり、重症となると死ぬ危険もあるので、チョコレートやココアは絶対に猫に与えてはいけません。
・アルコール
身体の小さい猫は、少量でも急性アルコール中毒を起こしやすいです。
猫のアルコール致死量は体重1㎏あたり5.5~6.5mlと言われています。
こぼれたものも誤って口にしたりしないように注意しましょう。
猫の痙攣を予防するには
猫が痙攣を起こす理由はさまざまなので、痙攣を予防するには全般的に病気やケガを予防することとなります。
身体に何も異常がなくても、年に1回は健康診断を受けるようにすると良いですね。
また、猫が食べてはいけない食べ物は手の届かない所にしまっておくようにしましょう。
イカの刺身などは、こっそり猫にとられてしまわないように特に注意が必要です。
一度痙攣を起こして、再度起こるのを防ぐためには、まず原因を特定する必要があります。
病院で血液検査などをしてもらい、何か病気がないか調べてもらいます。
そして、病気の治療が痙攣の再発を防ぐことにもなります。
また、最近の研究では老猫の場合は高い音が痙攣を引き起こす原因になる、ということがわかりました。
猫は人間よりもかなり聴覚が敏感です。
アルミホイルをくしゃくしゃさせる音や鍵の束をチャリチャリさせるなど、何気ない音が猫にとっては負担になることがあります。
シニア猫の周りでは、小さな音でもなるべく金属音をさせないようにしましょう。
てんかんによる痙攣の予防
てんかんの発作には前兆となる症状はないといわれています。
なので、発作を起こす原因もよくわかっていません。
ストレスが多くなると発作が起きやすいといわれているので、てんかんを持っている猫にはできるだけストレスを与えずに穏やかに過ごさせたいですね。
また、猫風邪などのウィルスも発作に関係があるといわれているので、予防接種はかかさず受けるようにしましょう。
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