これだけは守って!猫をケージ飼いするときの6つのルール
2018/10/20
猫をケージ飼いしている人もいますが、わたしはケージ飼いは基本的に反対派です。
猫を見ていればわかりますが、猫は寒がりであり暑がりであり、自由気ままにのんびりと暮らしたい生き物です。
そんな自由の象徴ともいえる猫をずっとケージで飼うということは、全ての楽しみを奪ってしまうということになります。
しかし、ケージ飼いには猫にとってもメリットがある場合があります。
人にとってのケージ飼いを選択するのではなく、猫にとってケージがどういうものかということを考えてよく検討しましょう。
今回は、猫をケージで飼わなければならないという場合のため、これだけは守ってほしいことをご紹介します。
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ケージ飼いのメリットデメリット
メリット
・災害時などの緊急時に役に立つ
・引っ越しをしてもストレスが少ない
・野良猫など人に対して警戒している場合、安心できるスペースになる
デメリット
・猫のストレスがたまる
・運動不足になる
・骨の強度が弱くなる
・運動不足のため肥満になる傾向がある
総合的にデメリットが強い
ケージにもメリットはありますが、あくまでも短時間入れておく場合など、緊急時用のためが主です。
ケージは明らかに猫には狭すぎますし、長時間、ずっとケージで飼育することは、猫の健康を害し、寿命を縮める可能性を高くします。
猫に必要なスペース
猫が健康に過ごすために必要なスペースは、どのくらいの広さが適切なのかというと、
1999年にKessler & Turneで行われた「猫のスペースに関するストレス度」というテーマで、発表が行われました。
猫を広さの異なるケージに入れて飼育し、ストレス度をチェックする方法です。
今回は広さという点からストレス度を測るため、高さは考慮せずに、水面の面積だけの結果です。
すると、0.7m2のケージと、1.0m2のケージのケージでは、0.7m2の狭いケージで飼われていた猫のほうがストレス度が高くなるという結果になりました。
このことから、やはり猫にとって狭すぎるスペースで飼う場合、日々ストレスが蓄積し、寿命も短くなってしまいます。
縦が85㎝、横が1mほどのスペースが必要
カリフォルニア大学デービス校の研究によると、Koret Shelter Medicine Program
猫の上部気道感染症を防ぐためには、スペースが0.85m2以上が有効とされる結果が出ています。
ほかにも、キャットショー団体のCat Fanciers’ Association; CFAは、CFA Cattery Standard Minimum Requirementsで、猫を健康的に生活させるためには、最低0.85m2のスペースが必要だとしています。
つまり、縦が85㎝、横が1mほどのスペースが最低ラインの広さということになります。
猫は上下運動をしなければいけない生き物なので、これに高さを加えると、かなり大きなケージが最低でも必要だということですね。
日本に売られているケージは、この最低ラインを満たしていない小さい物も多いので、きちんとサイズを確認してから購入しましょう。
猫をケージ飼いするときの最低限のルール
高さのあるゲージを用意する
ゲージはできるだけ広く、そして必ず高さのあるゲージを用意します。
猫は上下運動をしないとストレスが溜まる生き物で、高い上にジャンプしてそこから下を眺めているだけでストレス解消できます。
1階はトイレ、2階は寝床、3階は遊び場というように分けておくと猫もストレスを感じにくいです。
清潔を自動で保てるトイレ
猫はきれい好きな動物なので、トイレは常にきれいにしておきたいところ。
とくにケージは狭く、トイレから距離が取れないので、清潔さは必須項目です。
花王 ニャンとも清潔トイレセット ブラウン オープンタイプ [猫用トイレ本体]
そこで便利なのが、この1週間ぶんの尿を吸い取ってくれる「ニャンとも清潔トイレ」。
尿と便の臭いを針葉樹のチップとマットで二重に吸い取り、自動で掃除をしてくれます。
猫1匹の場合、おしっこの掃除は1週間に1度しかしなくていいのが、なんとも楽ちんです。
ポイントは、ケージは狭く、トイレの入り口に入りにくくなるため、フタがないオープンケースの物を選びましょう。
5時間以上ゲージに閉じ込めない
猫をずっとゲージの中で飼うことは不可能です。
子猫のころからしつけたとしても、外に出たがりますし、健康状態にもよくありません。
一人暮らしで仕事で5時間以上家を空けるという場合は、猫をゲージ飼いするという選択肢はなくしましょう。
部屋の1室を開放するなど、広い環境を猫に用意しなければ飼うことはできません。
もしずっとゲージに閉じ込めた場合は、もちろん猫は平均寿命よりかなり短命になります。
ストレスも解消できない、自由に動けない環境が続くなら、当然そうなりますよね。
人がいる間はゲージに入れない
お家に帰ってきたらすぐにゲージから出して、めいっぱい遊んであげましょう。
猫じゃらしやボールなどで運動不足を解消して、いっぱいなでなでしてあげてください。
ゲージに閉じ込められているストレスはかなり大きいので、夜中も好きにさせておいて、一緒にべッドで寝るようにしましょう。
猫は夜行性と言われていますが、人と一緒に生活していると夜ぐっすり眠るようになります。
水はいつでも飲める状態に
ご飯は決められた時間1日に2~3回に分けてあげればいいですが、お水は24時間飲めるようにしておきましょう。
ご飯自体も、ゲージに入れるときにゲージの中でご飯をあげるという習慣をつければ、さほど嫌がらずにゲージに入ってくれます。
ゲージに入ればご飯が貰えて、数時間寝るとまたご主人が遊んでくれる、という習慣を続けることがベストです。
快適な温度の場所に
夏は日が差し込む窓際や、冬は広い場所にぽつんとゲージを置くなどは避けましょう。
日は時間によって角度がずれるので、それも計算に入れて必ずカーテンは閉めておきましょう。
冬はゲージ自体を毛布でくるんだり、春夏秋冬に合わせた快適な温度を保てる工夫をします。
とくに日本の夏はこのところ異常に暑いので、ケージで飼育する場合は、必ずクーラーが必要です。
夏はクーラーで室温を27度ほどに設定して、直接クーラーの風が当たらない場所にケージを設置しましょう。
冬の寒さ対策
冬の対策は、ケージに厚手の毛布をかけて、1側面だけを空気の通り道のたまにあけておきます。
そしてケージの下に、パネルヒーターを設置します。
これは爬虫類用ですが、爬虫類はちょっとした温度にも敏感に反応する生き物で、徹底した温度管理が必要です。
そのため「温度可変式PTCパネルヒーター」を採用しており、安全で細かな温度調節が可能です。
25~45℃の範囲で設定できるので、ケージの下に敷いて、ケージ全体を温めましょう。
一番下に猫のベッドを設置すると、床暖房のようになって冬でも暖かく過ごせます。
お気に入りの寝床を置いておく
ゲージの中に入れるのは数時間という前提で、ゲージの中では基本的に寝る、というように猫に覚えさせると、猫もゲージにストレスを感じずにすみます。
なので夏はひんやりベッド、冬は温かい毛布など快適な寝床を用意してあげましょう。
家の中で放し飼いしているとよく分かりますが、猫も猫用などではなく人間のために作られた上質な物を好みます。
人間用の毛布などがやはり冬も一番好きなので、余っているものを入れておいてあげれば大丈夫です。
いろいろ考えて選んだ猫ケージ
マルカン キャットフレンドルーム スリム 2段 猫用 CT-322
猫のゲージとしては合格点の物です。
3段になっていて、スペースごとに用途がはっきりしています。
できればもう少し広い遊び場をもうけたいところです。
おすすめはこちらのような2段目の遊び場もしっかり確保できるタイプ。
2段のゲージも多いですが、猫を5時間以上閉じ込めておく場合は必ず3段あるゲージを選びましょう。
子猫は生後3週から外に出す
子猫の時期だけ、放しておくと危ないので、ケージ飼いにしている場合。
いつからケージから出すべきかというと、できれば生後3週からは出しておきたいところです。
なぜかというと、生後3週~12週までの時期、猫にとって今後の性格や行動を決める、大事な「社会化期」に入ります。
社会化期は自分以外の猫や他の動物、人間と触れ合うことで、周りとの関わり方を学びます。
人慣れするのもこの時期で、子猫とたくさん触れ合うことで、人懐っこくくったくない性格の猫になります。
しかし、まだ危険なことに関しては無知なので、何時間も留守にしたり、家の中が片付いておらず危険な状態ならケージに入れておいたほうが安全です。
できるだけ生後3週からはケージの外に出して、たくさんのものに触れさせるようにしましょう。
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猫アレルギーでケージに入れる場合
アレルギーはそれまで症状が発症していなくても、ある日突然アレルギーになります。
人には生まれたとき持っている、アレルギーの器があるそうです。
それが小さい人は、アレルギー物質に触れているとすぐにアレルギーになってしまいます。
器が大きくても、長い時間アレルギー物質に触れることで、ある日突然、なんともなかったものにアレルギー反応を起こしてしまいます。
猫にもそれは当てはまり、最近くしゃみがよく出る。目がかゆい、肌がかゆい、などの猫アレルギー症状が出ることがあります。
詳しい猫アレルギーの対策は、「3匹の猫飼いが実践している猫アレルギーを克服する12の対策」をご覧ください。
猫アレルギーになったため、猫をケージ飼いしようとする場合がありますが、これはなかなか至難の業です。
今まで自由に動けていたスペースが、突然ケージ内という狭いスペースになり、暴れたり鳴き続けたりしてしまいます。
夜眠る間だけでもケージに入れるという、一時的な入れ方は、訓練次第で可能です。
しかし、1日中ケージに入れておくというのは難しいでしょう。
できるだけ猫のために一部屋あけて、猫専用部屋を作るなどの工夫をもうけましょう。
チビ猫、ケージデビュー
保護した子猫で、キャリーケースからゲージへ移したところの動画です。
ゲージはこのような野良猫を保護した時は大いに活躍しますよね。
野良猫は警戒心が強く、猫にとっても安心できる場所を確保したいところなので、人と猫とのスペースがくっきり分かれるゲージは理想的です。
すぐに狭くなりますが、大人になってからもゲージに入れる時間が長くなる場合は子猫のころから慣れさせておきましょう。
しかし猫はいたずらするといっても、爪とぎや寝床をお家の中に用意しておけばおかしないたずらはしません。
最初からゲージで飼うことを前提にせずに、どうしたらお家の中で共同生活できるか、ということを考えてみましょう。
猫をケージで飼うからには快適な生活を 元野良猫の保護
ゲージが一番の価値を発揮するとき、それは猫自身が身を守るときです。
この動画に写っている猫のジャンくんは野良猫でとても警戒心が強かったそうです。
そのため家の中を怖がり、ゲージの中が一番落ち着く環境となったそうです。
飼い主さんはジャンくんが快適に生活を送れるそうに、1日に2~3回トイレをこまめに掃除しています。
飼い主さんの猫への愛情と知識が深すぎて、とても感銘を受けました。
上の動画の続き。ジャン君がだいぶお家になれてきたようで、色々なものに興味を持ってきたようです。
しかしそれでもお家に危険があるといけないと思い、飼い主さんはまだゆっくり時間をかけて慣れさせていくそうです。
こんなに猫のことを想ってゲージ飼いしている人もいるんだと驚きました。
このような猫が警戒している場合、安心できる場所がゲージならこれでいいと思います。
一生ケージに閉じ込める場合は譲渡も考えよう
ジャンくんのように大人の猫でもケージのほうが安心というタイプの猫は、ずっとケージでもいいと思います。
しかし猫の本来の運動量や自由を好む性格を考えると、やはり通常のケージは小さすぎます。
どうしてもどこかに猫を閉じ込めておかないといけない状況だとしても、長時間、ましてや一生をケージのなかで飼おうなんてことはご法度です。
その場合は、一部屋を猫のための猫専用部屋にしたり、猫が猫らしい最低限の生活をできるスペースを確保しましょう。
部屋が足りないのでできない!という場合は、猫が幸せになれるように譲渡するということも考えるべきです。
猫の譲渡会は地域で行われていますし、フリーペーパーにも掲載することができます。
最近では、SNSを使ってのネット上での譲渡も多いですね。
譲渡を考えなくてはいけないほど、猫を一生ケージのなかに閉じ込めるというのは虐待に近い行為だと思います。
地元に密着した類のものが早く飼い主が見つかる
猫の譲渡にはたくさんのサイトがあります。
有名なのは、「ペットのおうち」は登録数が多く、たくさんの猫が新しい家族を待っています。
しかし、わたしの保護猫を譲渡した経験上、一番反応がいいのは地元の掲示板です。
地元紙発行のフリーペーパーや新聞、地元の譲渡サイトのように、地域に密着した類のものが早く飼い主が見つかることが多いです。
新猫ちゃん ケージから脱出
マンチカンの猫でしょうか。短足の足をふりふりしてゲージの中を歩いていると、ちょっとした隙間を発見!
かわいい頭がにょきっと柵から出てきたかと思うと、体をふりふりして脱走してきちゃいましたw
猫は頭さえ通れば体もすりぬけられるので、小さい子猫をゲージで飼う場合は注意したほうがよさそうですね。
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