猫は甘さや旨みを感じている?味覚で最も感じているのは酸味だった!
2017/04/09
かつお節、ツナ、ささみ、チキン、まぐろ味。
猫缶にはじつにたくさんの味の種類があります。
また、食べる猫によっても好みの違いがあり、うちは3匹の猫の好みに合わせて与える缶詰の味を変えています。
動物の中でも「猫はグルメ」と言われるほど、味覚が発達しているかのように見える猫。
じつのところ、猫の味覚はどのように感じているのでしょうか?
今回は、猫の舌と味覚について、猫がグルメになった理由を探ります。
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猫が感じる味の種類
・酸味 最も感じるのが酸味。人間でいう旨味を感じている可能性がある
・苦み 酸味に次いで2番目に感じている苦み。舌の面積が広く、最も喉の奥にある
・塩味 しょっぱさには鈍感で、塩の量に対して感じにくい
猫は基本的にこの3種類の味しか味わうことができないとされています。
甘味に関しては、甘味を感知する機能が舌になく、ほとんど甘味は感じることができません。
そのため、薬を飲ませる時にガムシロップなどで甘く味付けしても、意味がないことになります。
その反面、苦みは人間よりも敏感に反応するので、猫が薬を嫌がるのは当然のことなんですね。
酸味
肉食動物である猫が主食とるすお肉には、リン酸、カルボン酸などのたくさんの酸が含まれています。
このお肉のすっぱさを感じて、まだ腐っていないか?食べられる肉の鮮度かを判断するために、酸味の味覚が発達したのでしょう。
猫が感じる味覚の中で、酸味は最も高い数値を示しています。
そのため、人間には酸味はすっぱくしか感じないものですが、猫はすっぱさをおいしいと感じている可能性があると言われています。
そういえば、靴下や脇の下などの、すっぱい臭いとしか感じない物が、猫はくんくん匂って、かじったりしていますよね。
苦みには人間よりも敏感
とくに苦みに関しては、他の肉食動物と比べても、猫は抜きんでて強く感じているというデータがあります。
アメリカのMonell化学感覚センターで、肉食哺乳類の苦みをゲノム解析したところ、なんと猫には12種類もの苦みを感じる遺伝子があることが発見されました。
これは肉食哺乳類の動物には異例の多さで、自然界において通常なら必要のない苦みまで感じていることが明らかになりました。
苦みを感じることは、自然界を生き抜くためには重要です。
肉が腐っていることを完治しなければ、お腹を壊してしまう危険性が出てきます。
しかし、猫においては肉の腐敗した苦みを感じることはもちろん、肉食動物では通常ありえない、植物の苦みにまで反応することが分かりました。
例えば、猫は安息香酸デナトニウムという苦みに反応し、これは人間の子供におもちゃなどを舐めさせないように塗る薬に使われている苦み成分です。
人間でもうえ~っと顔をゆがめるほどの苦みですが、猫はこれより強い反応を示し、人間よりも苦みを強く感じていると推測されます。
このように、極度に繊細な苦みを感じる機能は、自然界においては必要ないとされていました。
なぜ猫はここまで必要とされないであろう苦みを感じるようになったのか。
それは、猫が何でも食べれるようになるよりも、腐った物を食べてお腹を壊さないようにという、リスクを重視したためだと言われています。
ボツリヌス中毒という、腐った食べ物を食べると発生する中毒が、自然界においての猫には発症したケースが見られません。
苦みを感じる味覚が異常に発達していることから、少しでも賞味期限が切れたお肉には敏感に反応することができるんですね。
この苦みを敏感に感じるというのが、猫はグルメ。といわれる由縁になるのでしょう。
塩分には鈍感
猫は塩分に関して、感じることは感じますが、他の味と比べて鈍感だとされます。
塩分にはナトリウムが含まれていますが、これは捕食した獲物の血液に含まれています。
自然に食べ物を摂取していれば、あまり気にする必要がなかったわけですね。
獲物の血液中に含まれる塩分は、ごく微量なもので、少量のみ必要な栄養成分となります。
猫は人間と違って汗をほとんどかくことができないので、塩分を放出する機会が少ないんですね。
そのため、ナトリウムを摂取しすぎてしまうと、心臓や腎臓に負担をかけてしまいます。
かつお節やにぼしを猫は好んで食べるので、「食べるなら大丈夫な食べ物なのだろう」と思いがちですが、じつは塩分が分かってないからたくさん食べちゃうんですね。
水の味が分かる
人間には判別することができない、水の味が猫には分かるそうです。
そういえば、猫はお水を用意していても、お風呂の水を好んで飲んだり、水にはうるさいようです。
猫があまり水を飲まなくなったときは、老朽化した排水管から鉛や鉄分が多量に出ているのかもしれません。
そんなときは、浄水器をつけたりして、清潔さを保ちましょう。
味覚以外でも判断してる
猫がご飯を食べるとき、味覚はもちろんですが、他にも重要視していることがあります。
それは食べ物の「温度」「匂い」「舌触り」です。
自然界において、体温よりも温かいものを食べる機会はまずなく、35度以上の食べ物には警戒心を示します。
寒いからご飯を温めてあげようと良かれと思ってすると、いつものご飯でもプイッとそっぽを向いてしまうのはそのためです。
かといって冷たすぎるのは食中毒になる危険があるのと、冷たすぎて食べ物と認識できずに、これもまた食べなくなります。
猫が好む食べ物の温度は30度~34度とされていて、人間よりも正確な温度を求める傾向にあります。
こんな、熱いのはダメという特徴が、「猫舌」という言葉を生み出したのでしょうね。
ちなみに、猫舌とはついていますが、猫以外の動物もみんなそろって猫舌です。
人間だけが火を使い、熱い物を好んで食べるという特徴を持っています。
これは自然界においては異質なことで、本当は猫舌のほうがメジャーで、人間舌のほうがマイナーなんですね。
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ご飯をおいしく食べてもらうために
そして、猫は人間よりも嗅覚が優れています。
そのため匂いに敏感で、おいしそうな匂いがするものにはすぐ寄ってきます。
匂いを嗅いだ後、その温度や下にのせて味を確認するので、まずははじめの一歩の匂いがよくないご飯には見向きもしません。
猫がご飯をよく食べてくれるようにするには、キャットフードも缶詰も、1回分の量が入っている小さなタイプがおすすめです。
袋を開封してしまうと匂いが飛んでしまい、僅かな時間冷蔵庫で冷やしていても、まったく見向きもしてくれなくなります。
カリカリについては、袋を開封した後は少ない量ずつを密封できる、小さなビンで保存するのがおすすめです。
好き嫌いする猫
健康に良いヒルズのカリカリを食べさせたいと、今までのカリカリと混ぜてあげてみた動画。
すると・・・新しいカリカリだけ器用に避けて食べてる!
これって猫を飼ってると、けっこうあるあるですよね。
うちの猫も、健康に良い品質のカリカリに変えようとすると、大抵の場合新しいカリカリは食べてくれません。
猫は色を感じる機能が人間より弱いので、カリカリを色で判断しているわけではなくて、臭いなどで「これは違う」と判断しているようです。
新しいご飯に関しては、猫は食わず嫌いで、一切食べずに「これは食べないでおこう」と決めてしまいます。
とくにカリカリは冷たく匂いを発しないので、おいしい食べ物と認識してくれないようです。
そのため、新しいカリカリを食べさせたいときは、電子レンジで少し温めてあげると食いつきがよくなります。
甘いものが好きな猫
動画の猫は、甘いモンブランをぺろぺろと食べています。
猫は甘みを感じない。感じたとしても、ごく微量にしか感じることができないと言われています。
うちの猫も、3匹中2匹が甘い食べ物が好きです。
生クリームやみたらし団子など、必ず甘いものを食べてくるとこたつで寝ていても飛び起きてくるほどです。
ここからはわたしの仮説ですが、人間と共存している猫は、少しずつ甘味を感じる機能が発達しているのではないだろうか?と思っています。
この2匹については兄弟猫なのですが、兄弟だから同じ遺伝子を持っていて、甘味を感じる機能がもう1匹の猫より発達しているのではないかと思っています。
野生の時代のように、生肉ばかり食べるわけではなく、人間と暮らしているとたくさんの食べ物に囲まれているわけですからね。
何百年かすると、猫も甘味を感じられるようになっているかもしれません。
しかし、今の猫には甘味料に含まれる大量の砂糖を分解する機能がないので、たくさん食べさせることは禁物です。
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