猫の糖尿病の原因と治療方法。フード改善で治すことはできる!
2018/04/05
猫は糖尿病になりやすいとされています。
飼い主の餌の与え方にもよるのですが、ついつい食べてしまうからと与えてしまっては猫も肥満になってしまいます。
もっとも猫の糖尿病の原因はそれだけではないようですが、食べ過ぎが大きな要因になっているのは間違いないようです。
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猫の糖尿病の原因
猫の糖尿病の原因は、様々なものがあるのですが、まずは食べ過ぎが一番にあげられます。
主に早食いなどがそうなのですが、早食いをするとどうしてもたくさん食べてしまいます。
飼い主のほうもそれが適量なのかと思いながらついつい餌を足してしまうので、結果として早食いからどか食いということになるのです。
飼い主も気をつけなくてはいけないのですが、この早食いどか食いといったものが常態化してしまうと、食事のたびに猫の膵臓から多くのインスリンが分泌するようになります。
そうなると、細胞ひとつひとつのインスリンに対する反応が鈍くなるのです。
インスリンは血液中の糖分を細胞に取り込む働きを持っています。
そのインスリンの働きが悪くなると、糖分を細胞に取り込むことができなくなり、結果として血液中に糖分が増えてしまいます。
これが、血糖値が上がるということなのです。
この状態が高じて糖尿病に発展するということですね。
他には猫がストレスを感じると血糖値があがるという現象が報告されています。
ストレスと早食いどか食いの関連性は認められていませんが、ずっと部屋に閉じ込めて運動をさせないとか、虐待などで猫がストレスを感じるようなことがあれば、血糖値の上昇から糖尿病になる可能性もあるということです。
ストレスでの血糖値の上昇は一時的なものとされているので、糖尿病の主な原因とは区別される場合が多いようです。
飼い猫の平均寿命の上昇
野生の猫や野良猫の平均寿命は5年たらずといわれています。
一方の飼い猫の場合は10年以上生き、平均寿命は15年とされているのです。
これは、ひとえに生活環境のおかげと考えていいでしょう。
飼い猫の場合は室内飼いが基本ですから、夏冬については空調管理された室内にいることができます。
また、食べ物については猫専用のペットフードがあります。
これは、年齢別に栄養が管理されたもので、猫の栄養が計算され尽くされているペットフードです。
これだけでも十分に猫は発育してくれると言うことですから、飼い主にとっては手間いらずといってもいいでしょう。
もっとも、猫が喜ぶからといっておやつなどを与えていては猫も太ってしまうでしょう。
10歳以上の猫は発症しやすい
そして、猫の糖尿病は10歳以上の猫に多く発症する傾向があります。
10歳と言えば、野生の猫や野良猫でしたら、それまでに十分寿命で死んでいる年齢です。
基礎体力があるからといっても、代謝自体は減っているでしょうし、それまでの食事量がいつのまにか多すぎる状態になっていることも影響しているでしょう。
人間も新陳代謝が衰えているのに若いときと同じような食事量をしていると、中年になったら途端に太るのと似ているといえるでしょう。
ですから、猫の生活環境がよくなり、餌から栄養がたくさん取れるようなったことで猫の平均寿命が延びました。
それによって、これまで猫に発症することはなかった病気が多く見られるようになったのです。
糖尿病もその一つというわけですね。
長寿になったことが原因というわけでもないのですが、他にも様々な要因が考えられるようです。
基礎疾患や投薬が原因による糖尿病の発症
猫の膵臓に発生した炎症、さらには腫瘍などが糖尿病を引き起こすことがあるようです。
さらに猫の疾患として、甲状腺機能亢進症や先端肥大症、さらにはクッシング症候群や腎疾患、肝疾患、心不全、そして腫瘍などがあります。
これらは猫をしっかりと検査しないと分からない疾患です。
猫の病状を見定めて病院でどこまで検査してどこまで治療するかといったもので、膨大な費用もかかります。
飼い主の猫に対しての裁量が試されることになりますね。
猫に対しての投薬ですが、副腎皮質ステロイド、黄体ホルモンや利尿薬、心臓の薬、そして抗けいれん薬などはインスリンの働きを弱めてしまい、糖尿病を引き起こすことがわかっています。
これらの治療も猫の寿命が延びたことで猫に様々な疾患が発症するようになりました。
その治療の過程において糖尿病を発症する猫が増えているという現実があるのです。
品種・遺伝や遺伝によるもの
英国や欧州、さらにはオーストラリアで行われた調査があります。
それによると、品種によって糖尿病の発症率が高い調査結果が出たそうです。
品種ではバーミーズの糖尿病の発症率が高いと報告されているのです。
2016年に英国国内で行われた大規模な調査では、バーミーズが基準の3倍、ノルウェージャンフォレストキャットが3.5倍、さらにはトンキニーズが4.1倍の発症率の高さだったそうです。
このことから、猫のある特定品種において糖尿病を発症する確率は高くなるといった事実はあるようです。
また、現在では発症に関する遺伝子の調査も行われているようですが、特定はされていないようです。
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猫の糖尿病の治療
猫の糖尿病の治療法としては、主にインスリンの投与がメインとなります。
もっとも、糖尿病もかなり進んだ状態の猫の延命措置として取られることが多いようです。
これは、人工的に生成したインスリンを猫に皮下注射するものです。
これは医師の指示を受けた飼い主が、毎日の日課として猫に皮下注射することになります。
インスリンの注射量には注意が必要です。
多すぎても少なすぎてもいけないからです。
多すぎると低血糖発作を起こして、意識を失ったりけいれんを起こすことがあります。
反対に少なすぎると、猫の血糖値が十分に下がらないので注射した意味がなくなるのです。
インスリンの適正量ははっきりと決まってなく、その日の猫の運動量や摂取するカロリーによって左右されます。
これは、医師との相談の上、指示を受けてインスリン用量を決めることになります。
食事療法では、食事量が多くなると、血中の糖分も増えるので、食事の質と量には調整しなくてはいけません。
近年は療法食の一種として糖尿病や肥満に特化したものもあります。
糖尿病の療法食として注目を集めているのが、ロイヤルカナンの糖コントロールです。
糖尿病の猫向けの療法食です。
糖分を吸収する速度の遅い大麦を配合していて、良質なタンパク質をたくさん含んでいます。
高タンパクで、低脂肪、さらには低炭水化物として糖尿病の猫に最適な療法食となっているのです。
療法食ですから、通常のペットフードよりも割高となりますが、糖尿病の猫に普通のフードは与えられませんから、カロリー控えめなロイヤルカナンの糖コントロールが療法食として最適となるのです。
糖尿病の運動療法
肥満になった猫には低カロリーな食事の他に、運動をしてもらうしかありません。
ついてしまった余分な脂肪を減らすことで、多すぎる血中の糖分を消費する目的で運動療法が取り入れられているのです。
病院の医師に相談して、運動計画をかんがえましょう。
とはいっても、一緒に遊んであげることや外に出すことしかできません。
肥満になると歩くことも億劫になって寝そべってばかりいるようになります。
そのときは、餌を歩かなければ食べられないようなところにおくか、少量しか与えないようにしてとにかく体重を落として運動ができる体型にすることが大切です。
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