猫の糖尿病の症状。症状が進んでいる場合は非常に危険な事態に
2018/04/05
猫の糖尿病の症状ですが、糖尿病自体は人間と全く変わりはありません。
しかし、猫の表情などから糖尿病かどうかを判断することはできないでしょう。
ここでは、猫の糖尿病の症状について紹介します。
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猫の糖尿病とは
猫の糖尿病ですが、人間と同じでホルモンの一つの種類であるインスリンの働きが衰えることで、血液中の糖分が多くなってしまう病気です。
糖尿病に大きく関係してくる、インスリンですが、インスリンがどこで分泌されるのかというと、それは膵臓(すいぞう)という器官から分泌されています。
インスリンは血液中の糖分を細胞内に取り入れる働きを持っているのです。
これによって血液中の血糖値の上昇をインスリンが押えてくれるというわけですね。
このインスリンの働きが何らかの理由で弱まってしまうと、本来なら細胞の中に入らなくてはいけない糖分が血液中に残ったままとなってしまうのです。
そうすると何が起こるのかというと、血液中の血糖値が上がります。
これは糖濃度が上がると表現する場合もあります。
この状態を高血糖ともいいます。
いずれにしても、血液中にたくさんの糖分が残っている状態となるのです。
この状態になると何が起こるのかは後述しますが、長期的にこのような血糖値の高い状態が続くと至る所に障害を引き起こしてしまうのです。
人間の糖尿病にも用いられているのですが、糖尿病はⅠ型とⅡ型に分けられます。
Ⅰ型糖尿病というのは膵臓の機能が弱まる、あるいは壊されることでインスリンの分泌ができなくなった状態をいいます。
また、Ⅱ型糖尿病は、膵臓は正常なのですが、インスリンが分泌されない状態です。
猫の場合はどちらの型も全年齢層で見られるということですが、6歳を過ぎたあたりから、多くなる傾向にあります。
人間でいうと壮年期に入る時期ですから、年齢的にも人間と同じ生活習慣病を発症する時期と重なるということですね。
また、Ⅰ型とⅡ型の比率は猫の場合では1:4程度とされています。
これを犬と対比してみると、犬の場合は4:1ということですから、猫と犬はちょうど真逆の関係にあるといってもいいでしょう。
猫の糖尿病の症状
人間が糖尿病になると、失明したり腎不全になったり、脚が壊死したりすることもある恐ろしい病気ですが、猫もそのような症状になるのでしょうか。
人間と違って猫はものを言いませんから飼い主が猫を観察しなくてはいけません。
まずは、糖尿病のなりかけかもしれない猫の症状を見てみましょう。
猫が大量に水を飲むようになった、食べる量が増える、おしっこの量や回数が増えるなどの場合は要注意です。
飲む食べるといった量が増えるのは、飼い主にとっては成長期の猫によく見られることと思ってそれほど注意はしないのです。
確かに飲む食べるという行為は健やかに成長している証です。また、それにともなっておしっこの量も増えることでしょう。
これだけでは、糖尿病にかかっているとは判断しにくいのです。
それでは、どこで判断したらいいのでしょうか。
この飲む食べるという中にも重要な判断基準があるのです。
それは、猫の体重です。
食べているのに体重が増えないのは成長期にはおかしなことです。
また、成長が止まった壮年期になって体重が減り始めるとなんらかの疾患を考えなくてはいけません。
ましてや十分に食べているのに体重が減少するのは糖尿病の疑いが濃くなるのです。
その他の症状としては、お腹がふくれることです。
これは、肝臓がふくれるのですが、お腹がぷくんとふくれるような感じがあれば糖尿病の疑いがあると考えていいでしょう。
また、人間でも見られるのですが、白内障は猫にも現われる症状です。
しかし、人間同様に白内障の場合、初期では見た目では分からない場合が多いです。
自覚症状としては周囲がうすらぼんやりとしてくるので、猫がまっすぐ歩くことができない、何かぶつかることが多くなったという症状では、視力が明らかに落ちているので白内障の症状が進行していると考えていいでしょう。
猫の糖尿病の場合は、白内障の症状が現われる前に、あらゆる糖尿病の症状が現われます。
白内障は糖尿病でも末期的な症状と考えていいでしょう。
ですから、白内障がわからなくてもすでに糖尿病にかかっていることは飼い主であれば察知できているはずです。
いずれにしても適切な処置をしなければ白内障から失明することは間違いないでしょう。
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糖尿病の診断は?
猫の糖尿病の診断は身体症状だけではありません。
病院では、血糖値や耐糖能、さらに尿糖の有無などによって総合的に診断されます。
このあたりも人間と同様です。
但し、猫の値については病院の医師の判断によることが多いです。
というのも、血糖値については、健康な猫と糖尿病の猫との境界線があいまいなことが多いためということです。
もっとも数値が曖昧で判断に困ることがあっても、猫の状況を見て的確に糖尿病と判断できるようです。
肥満の猫が糖尿病になりやすいというけど
肥満の猫が糖尿病になる確率は、正常の猫の5倍だそうです。
肥満の主な原因は、カロリーの摂りすぎであることと運動不足によるものですから、これも人間と変わりありません。
これには、猫の避妊や去勢手術の影響、そして室内飼いが増えたことによるものです。
メスはオスと比べて太りやすいとされています。
また、去勢されたオスは未去勢のオスに比べて1.6倍太りやすいそうです。
避妊メスも未避妊メスの約2倍も太りやすいというデータがあるのです。
ですから、太った猫はオスメス関係なく糖尿病のリスクがあがります。
まだ、太っている場合は糖尿病にかかっていないと言えるのかもしれませんが、食欲が換わらないのに、そこから体重の減少が始まったら糖尿病にかかっていると考えていいでしょう。
もっとも肥満になった状態ではすでに糖尿病にかかっていると考えていいのかもしれません。
いずれにしても、猫の肥満は糖尿病予備軍と思って間違いないのです。
本来動物は肥満になることはありません。
草食動物は逃げるために肥満になることはありませんし、肉食動物は肥満になったら草食動物を捕まえることができないのです。
猫の糖尿病の症状としてわかりやすいのは食べているのに痩せてくることです。
それは糖分が体に取り込めなくなった状態なのです。
さらに症状が進んで神経障害にまでなると、かかとを地面につけて歩くような歩行異常がみられることがあります。
猫の体重減少が一つの糖尿病の症状のバロメータと言えそうですね。
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